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至極のギャグを交えて病み期の話をする Part2


どうも、ひらおです。

この記事はPart2です。

Part1をまだお読みでない方は、
ぜひこちら↓から先にお読みください。

なんかね。

だいたいこういう複数回にまたがる記事は、
Part1が1番読まれて、回を追うごとに読者が少しずつ減るものだと思うのだけど。

このシリーズはPart1からあまり伸びてないです
( ;∀;)

なぜだろうねぇ。
やっぱり内容が重めだからかな。
ギャグがつまらなかった可能性

でも、めげずに書き続けていくぜ。
今回も読んでくれているあなた。本当にありがとう。

03 「悪化」

眠い。怠い。起きていられない。

ただ、それだけの症状。

誰でも疲れが溜まっているときには表れる、ごく当たり前の現象。

「平尾くんでも寝ちゃうことがあるんだねぇ。無理しないでね」

先生も友達も、笑ってそんなことを言う。
俺も笑顔を作って、すみませんとかごめんとかの言葉を返す。

そう、これは当たり前のこと。ちょっと疲れているだけのこと。
頑張れ。疲れなんかに負けるな。

しかしその「当たり前」を跳ね返せないまま日々が過ぎ、
やがて俺の生活に起きる異変は「普通」の範疇を超えていく。

まず、人と話すのが億劫になった。

俺はいわゆる陽キャではないが、仲の良い人と遊んだり話したりするのは好きだ。

だからもともと、昼休みは友達と一緒にご飯を食べたり、キャッチボールや会話を楽しんだりしていた。

しかし眠気に取り憑かれてからは、誰と話していても楽しくなかった。

言葉がうまく入ってこないのだ。
ことあるごとにぼーっとして、意識が飛びそうになる。
会話の内容もわからなくなる。

「ごめん、なんの話だっけ」

などと何度も聞くわけにもいかず、
わかったふりをして、曖昧な笑顔で相槌を打つ。
時々トンチンカンなことを言って、微妙な空気になったりする。

次第に俺は、一人を好むようになった。
いや正確には、人から逃げ、独りで過ごすようになったのだ。

食堂やグラウンドに向いていた足は、図書室や空き教室に向かう。
一応、コンビニでパンを買っておくのだが、少しでも睡眠を優先したくて食べないこともあった。

机に突っ伏して、みっともなく眠る。
次の講義に間に合うように頑張って起きる。
身体を起こすと、胃腸が弱っているのか、うっ、と毎回吐きそうになる。

隣にいたら、誰かが異変に気付いてくれたかもしれない。
でも、人から逃げてたどり着いた眠るための部屋には、当然誰もいない。

逆に、夜はなかなか眠れなくなった。

疲れ果てて家に帰り、家族のゴタゴタの間に入り、やっと自分の部屋に入る。

そこには待ち焦がれたベッドが置いてある。

(ああ、やっと眠れる)

そうして倒れ込むと、何故かーーずっと火照っていた頬から熱が逃げ、脳に空気が送り込まれるのだ。

悪夢から醒め、今日初めて生きる気がする。

今日1日、俺は何をしていたんだろう。

ノートを引っ張り出してみる。授業中、身体を傷めつけながら必死でとったメモがぐちゃぐちゃに並んでいる。

でも、何も思い出せない。
夢の中の出来事はもう忘れてしまった。

悔しくなってくる。
俺は今日何もしていない。何も覚えていない。

やっと今起きたのに。これから眠れなんて、冗談だろ?

そして教科書を広げ、勉強する。
ボランティアの資料を作る。

ずっと微弱だった感情が束の間戻ってきて揺れ動き、涙が溢れたりする。

なんでだろうなあ。
なんでだろう。

窓の外を見ると、うっすら朝焼けの兆しが見えている。

ああ、もう眠らなくちゃ。
あと2時間もしたらまた出かけなくちゃいけないんだから。
今日こそしっかり生きるんだから。

だが当然、朝はなかなか起きられない。

そして、各所に遅刻を繰り返すようになった。
授業、デート、バイト、サークル、ボランティア、友達との約束。
数分から数時間、ありとあらゆる用事に遅刻した。

これは寝坊もあるが、「目的地にたどり着けなくなった」ことも大きい。
移動手段には大抵電車やバスを用いていたが、どうしても寝過ごしてしまい、
目的の駅で降りられないのだ。

市ヶ谷で降りるはずが、気づくと新宿にいる。
吉祥寺で降りるはずが、いつの間にか三鷹にいる。

謝罪の連絡を入れ、慌てて折り返す。
もう座るのはやめよう。眠らないように、立っていよう。

だが立ったまま、折り返しの電車でも結局眠ってしまい、気付くと最初の駅に戻っている。

時間と体力、人との信頼関係が失われていく。

疲れたなあ。
辛いなあ。

漠然と、ただ果てしなくそう思い続けていた。

04 「死守」

『そんなに疲れているなら休めばいいのに。』

読んでくれている方の中には、そう思う人がいるかもしれない。

その意見は正しい。
そうすべきだったと俺も思う。

だが当時の俺は、タスクを維持することに必死になっていて、
自分の異常性に気づかなかった。

とにかく、何かを守りたかった。

守りたいものが何だったのかーー夢に向かって頑張る自分だったのか、人からの評価だったのか。

あるいは家族だったのか、友達や仲間だったのか、彼女だったのか、全て含めた人間関係だったのか。

わからないが、頑張ることを辞めたら今までの全てが無に帰す気がして。
それが怖くて、とにかく会う人全員に

『俺は大丈夫です』

という態度を取り続けていた。

学校では、特待生として学費をかなり免除してもらっていたので、
成績が落ちてそれを取り消されたら困る、という意識もあった。

また、家では俺が倒れたら家族がぶっ壊れる、というプレッシャーもあった。

家は相変わらず荒れていて、皆が病んでいた。
そして、俺だけが常に変わらない人、大丈夫な人だと思われていた。

一度、ふとした拍子に、親にこんなことを言った。

「なんか、最近こっちも結構疲れてるみたいでさ」

親はハッとした顔をしてこう言った。
「あなたまでおかしくなっちゃったの」

そうかぁ、そういう反応になるか。

俺は笑って、
「いや、そんな別に大したことじゃないよ。大丈夫。無理しないでね」
と返した。

ダイジョウブ、ムリシナイデネ。

誰に向かって何を言っているのだろう。

あれ以降、俺は家族との心の距離感がわからないままだ。
何を言ってもしっくりこない。
『僕』も『俺』も違う気がするから、一人称も迷子だ。
なぜか、プロ野球の話だけは普通にできるのだけど。

そうこうしているうちに、
「楽しい」と感じることは全くなくなっていた。

ガソリンの尽きた自動車は、ボロボロになった車体を引きずるように、
しかし止まることもできずに進んでいた。

♪テッテテテレレレ、テンテンぱふ!
(笑点の音楽)

今回割とずっと暗かったね!?ごめんよ!

さて今回も至極のギャグで締めたいと思います!

オホン、ある男がですね。
船旅をしていたんですが、嵐で遭難してしまったんですな。

やっとたどり着いた無人島で男は一人、助けを待ちながら、
釣りをして食糧を確保することにしたと。

すると、運の良いことにサバが釣れましてな。
食べようとすると、サバがこんなことを言うのです。

「へん、弱々しい男に釣られちまったぜ。
俺のほうがずっと男らしいもんね!」

そう、まさに、これこそ…!!

さばいばる!!!!!!!!

………!!!!!!!!!!!

あ、やめてください、座布団持ってかないで。
先週もとられたから。もうなくなっちゃうから。

冷え込みが激しいので皆さん風邪に気をつけて。

またまた続くっ!

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