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掌編小説「価値観」


学校や子供会の遠足やらで
十数回訪れた場所


当時は何にも思わなかった

池がない砂だけの庭
古い木材の古い建物
公園みたいなたくさんの木


やっぱこういうのって
たくさん知識を蓄えてこそ
凄さがわかるものなんだなって

なんの価値も知らなかった
なんの価値もわからなかった

それが当たり前だと思ってた
ただ何気なく
自然と建物を見ていただけだった

あの有名な
虎の絵や橋もあるらしいのだが
それらでさえ全く覚えていなかった

忍者対策らしい
キシキシ音が鳴る廊下

当時忍者が大好きだった私
それだけはハッキリと覚えていた

わざと音を鳴らして
はしゃいでいたっけ


泣いて笑って喜んで悲しんで
恋愛失恋繰り返し
多くの歳を取った

本堂
方丈
参道
庭園
鐘楼

花鳥風月
今はすべてが美しい

酬恩庵
またの名を一休寺



#短編小説 #掌編小説 #私の作品紹介 #酬恩庵 #一休寺

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