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「働く」にも「生きる」にも目的はない。突き詰めると「死」しかないから楽しいことをしよう

就活生の「なぜ働くのか?」に対する哲学の先生、玉川大学名誉教授・岡本裕一朗先生の回答。

そもそもなぜ働くのか?

食っていくため

なぜ食っていくの?

人生を続けるため

なぜ続けるの?

生きていると楽しいことがあるから

のような話から始まるのがこの記事で、岡本先生に言わせれば、誰しにも共有する「人生の目的」なんてものはないと。これは同意です。

そして、「自分がこの仕事をやって何になるんだろうな??」と考えても、結局は、突き詰めると「死」しかないと。これもすごく分かる。

岡本先生:人間は生き物ですから、最終目標は『死』しかないということです。だから仮に、仕事の目的を『会社で成功すること』に置きますよね。成功する目的は『お金をたくさん稼いで、老後に幸せになるため』、じゃあなぜ老後に幸せに?『一番いい棺桶に入るため』……となってしまう


やりたいことを探さないといけないのか?

ここに関しても、岡本先生の説明に結構同意する。そもそも何が面白くて面白くないのか、自分に合ってるのか合っていないのかなんて、やってみないと分からない。

岡本先生:仕事だけでなく、なにかの『面白さ』って自分で見つけようと思って見つけられるものじゃない気がするんですよね。とりあえず何かやってみて、するとそれが意外と面白かったりする

だから、とりあえずやってみて、つまらなかったら辞めればいい。でもここに、個人的にはこだわりを持っていて、ちょっと軽くやってみるか、ぐらいではその面白さが分からなかったりするので、例えば1ヶ月はガーっと本気でやってみるとか、そういう継続は必要だなと思ってます。

ちょっと触ってみて「面白くない」と判断するのは、自分が面白さに気づいていないパターンも多いと思う。

で、計画的なキャリアなんてものはだいたい後付けのことも多い(もちろんやりたいことが明確な人は別)ので、まずは目の前のことを本気でこなしてみることが大事。


成功とは何か?

この部分は、アリストテレスの幸福論の話も出てきてるので面白い。ちょっと引用させていただきます。

岡本先生:『将来的に成功しなきゃ!』みたいな発想って、未来志向型の時間に囚われたものなんですよね。(中略)つまり、未来のことばかり考えすぎると『現在』が単なる通過点に過ぎなくなる。すると現在が充実しませんし、未来に到達したところで、また次の未来に向かうだけですから。
(中略)たとえば東京から京都に行くときに、『京都に行く』ことだけが目的なら移動の時間は無意味なので、できるだけ短くしたい。ところが『旅を楽しむ』ことが目的なら、移動の時間も面白いと考えればいいんです

未来に縛られすぎると現在を楽しめなくという話は納得ですね。ただ、それも含めて、未来の幸福のために今を我慢するという価値観の人も間違ってはいないので、本当に結局のところ「自分がどう在りたいか」が相当問われています。

今回の新型コロナウイルス感染症の影響から、自分と向き合ったり、自分の家族と向き合ったり、自分の仕事と向き合う時間が増えたと思います。

その中で、幸福ってなんだろうと考える人も多かったのではないかと思います。


僕個人としては、「しなければいけない」を減らして、「してもしなくてもいい」をどんどん増やしていきたいと思っています。

できるだけ選択肢を持っている状態ですね。


働き方もどんどん変わってくるので、生き方も変わってきます。

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