朝
朝 西の窓から外を見上げると
半分空に消された白い月がこちらを見ている
見守るのではなく睨むように
その眼差しは震えている
北の窓では、黄色い光が白いカーテンを灯している
隣家の窓に映り込んだ朝焼けの残像
照り返す強い光の輪郭は,白い壁色全体を塗り替えながら、いつのまにか失われていった
反対側のドアを開けて,外に走りでた
朝日はまだそこにあった
鳥の鳴き声に遮られながら、さらにその光を追いかけると
暖かい日差しが,何事もなかったように
足元から私を包み込んだ
ふいに透明な風が新緑の隙間をぬって通り過ぎる
見慣れた朝が始まった
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