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20240407 犀の角のようにただ独り進め。

こんどの5月の公演で私たちの劇団はツアーで長野県上田市、犀の角という劇場へと向かう。2年前、新潟劇王へと向かう道すがら最終調整のために立ち寄ったのが犀の角であったけれども、今回たまたまタイアップ公演の中に空きが出て、打診をいただいてこうして本公演のツアーで伺えることになってとてもうれしい。しかしながら「なんでまた長野県へ?」と思われる方もいるかと思うので、いろいろその文脈を言葉にしておければと思う。


犀の角 看板

▼元はと言えば私、主宰の松本(私)が2022年4月に小劇場ネットワークの取り組みである「シアターホームステイ」というプログラムに参加し、沖縄県の那覇市、アトリエ銘苅ベースを訪問したことがきっかけだった。

シアターホームステイ滞在紀。
シアター・ホームステイinアトリエ銘苅ベース|Kazuho Matusmoto #note
https://note.com/1st_x_ep/m/m07ab1fcecfd6 

全国小劇場ネットワークなるものの存在を知り、シアターホームステイというプログラムに応えている劇場が長野県上田市にあるらしいということで犀の角さんの存在を知った。(後に犀の角の荒井さんによくよく話を聞くと、自分自身もさまざまな縁がより合わさってここにたどり着いたような気がした。)

▼たまたまその年の5月に第2回新潟劇王へ向かうという用事があったので、その道すがら、ぜひ犀の角さんへも訪れてみたいと思って滞在の手配をした。いざ伺ってみると上田の街は映画『サマーウォーズ』の舞台となっただけあって街並みに厚みがあって美しく、その辺を散歩しているだけですっかり魅了されてしまった。

上田の街を散歩しながら。

▼私がなによりも感激したのは、犀の角にはいつも子供たちの姿があって、彼らの笑い声が絶えない場所だということだった。劇場がただ演劇を発表するためだけの場所なのではなくて、そこが地域のコミュニティの中である役割を担う場所として存在しているという感覚をその時に肌で感じることができたように思った。関東圏にもそうして子供たちが日常的に出入りしているような劇場は、たとえばキラリ☆ふじみ劇場などがあるのだと思うけれども自分たちが出入りする場所でそういう場所を目にする機会があまりなかったから、とても新鮮だった。

ひときわちびっこに愛されていた河野竜平。

参考:『関越道の思い出』https://note.com/hiraoyogihonten/n/n706613b94086?sub_rt=share_pw

▼私たちの劇団はこれから10年かけて野外劇をやり、海外へ赴き、いずれは自分たちの拠点を建設したいと考えている。今いる場所なのか、あるいはぜんぜん別の場所なのかはわからないけど、とにかく新しい場所で自分たちの演劇活動を通じてその街と関わり合わねばならない。そうした将来を見越してみても、犀の角さんに訪れるといったときにただ演劇を発表するだけではなくて、いま上田の街で犀の角さんが地域のコミュニティの中でどういう役割を果たしているのかということを学びにいきたいという気持ちがとても大きい。ただ演劇を発表するというだけではなくて、自分たちにできることはどんな小さなことでも一生懸命やりたいと思っていたりする。

▼東京公演では野外劇として発表する作品を犀の角さんでは室内の作品としてリサイズしてお届けする予定である。大きく空間が変わることに対しても、不安というよりは今はワクワクがまさる。一つの作品をまったく異なる二つの空間でプレゼンテーションできると思うと「じゃあどうやって組み立てようか」という、出たとこ勝負の感が生まれてヒリヒリする。必ずうちのカンパニーならうまくやれる(気がする)。だからもし東京で都合が合わない方には、ぜひ新幹線に飛び乗って一路上田まで来ていただけたらと、そっと思っていたりする。

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