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「無添加」表示が厳しくなる!?怖がり過ぎないためにも、ルールをしっかり知っておきましょう!

「無添加」表示が厳しくなるらしい!?!?

全面的に禁止なの?違反したらどうなるの??

表示に関わる方のために、食品添加物の不使用表示に関するガイドラインについてまとめました。


食品の販売では、食品表示法に基づいた表示を行う義務が生じます。
この中で「無添加」や「〇〇不使用」といった食品添加物の使用に関する表示をするときに確認しておきたいのが今回紹介する食品添加物の不使用表示に関するガイドラインです。

食品をすでに販売していて、無添加などの表示をしている場合にはガイドラインを参考にしつつ自社の表示が誤認を生むような表示になっていないか確認することができます。

また、これから販売する商品についてはパッケージを決定する前にこのガイドラインを参考に最終的なデザインやコピーを決めるとよいでしょう。


ガイドラインが公開されたのはR4年で、現在は経過措置期間となっています。今年3月に経過措置期間が終わるので、4月以降にはガイドラインに沿った商品が店頭に並ぶハズです。

(なので、既に販売されている商品については対応済となっていることと思われます。)

このnoteではガイドラインの内容をさっと押さえたい方に向けて、Q&Aを作成しました。今一度確認として、お役立てください!




Q1.無添加表示や添加物不使用を一律に表示できないの?


A.一律に禁止するものではなく、表示が禁止される項目については表示しないように気を付けましょうという内容です。
注意にしたがって表示すれば可能な表示です。

Q2.表示って、どこからどこまで?


A.このガイドラインが示す表示は容器包装で、パッケージについての話です。広告表示の場合には、景表法や健康増進法に基づく表現規制がかかります。広告内容として「安心」「安全」を保証したりするのはNGです。
また、食品の広告表示で病気の予防や治癒ができるかのような表示は薬機法の広告表現規制として問題になる可能性があります。

Q3.具体的にどんな表示に注意が必要なの?


A.ガイドラインでは10個の類型が示されています。

食品添加物の不使用表示に関するガイドライン

1つずつ見ていきましょう!

類型1:単なる「無添加」の表示

無添加となる対象が不明確な、単に「無添加」とだけ記載した表示です。
対象を明示せずに単に無添加と表示をすると、何を添加していないのかがわかりにくいことで内容を誤認する可能性があります。

例:単に「無添加」とだけ記載した表示のうち、無添加となる対象が消費者にとって不明確な表示


類型2:食品表示基準に規定されていない用語を使用した表示

無添加あるいは不使用と共に、食品表示基準において規定されていない用語を用いる表示、具体的には 人工、合成、化学及び天然といった用語を用いることです。消費者がこれら「合成✕✕」などの用語に悪い又は良い印象を持っている場合、無添加あるいは不使用と共に用いることで、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがあります。

例:「人工甘味料不使用」等、無添加あるいは不使用と共に、人工、合成、化学、天然等の用語を使用した表示


類型3 食品添加物の使用が法令で認められていない食品への表示


法令上、当該食品添加物の使用が認められていない食品への無添加あるいは不使用の表示のことで、そもそも法令として使用が禁止されているものを敢えて書かないということです。
法令で当該食品添加物が使用されることはないことを知らない消費者が、当該商品は不使用表示のない商品よりも優れている商品であると読み取るおそれがあり、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがあります。


例:清涼飲料水に「ソルビン酸不使用」と表示 (清涼飲料水へのソルビン酸の使用は使用基準違反→どの商品であっても「ソルビン酸不使用」)


類型4 同一機能・類似機能を持つ食品添加物を使用した食品への表示


「〇〇無添加」、「〇〇不使用」と表示しつつ、同一機能、類似機能を有する他の食品添加物を使用している食品への表示です。

不使用表示の食品添加物と、それと同一機能、類似機能を有する食品添加物の違いが表示において分からない場合に、他の商品よりも優れている商品であると読み取るおそれがあり、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがあります。

 例:日持ち向上目的で保存料以外の食品添加物を使用した食品に、「保存料不使用」と表示

例:既存添加物の着色料を使用した食品に、○○着色料が不使用である旨を表示(○○着色料とは、指定添加物の着色料をいう。)

類型5:同一機能・類似機能を持つ原材料を使用した食品への表示


「〇〇無添加」、「〇〇不使用」と表示しながら、〇〇と同一機能、類似機能を有する原材料を使用している食品への表示です。

不使用表示と共に同一機能、類似機能を有する原材料について明示しない場合、消費者が当該原材料の機能であることが分からないまま、他の原材料による機能が作用していると読み取るおそれがあり、内容物を誤認させるおそれがあります。 

例1:原材料として、アミノ酸を含有する抽出物を使用した食品に、添加物としての調味料を使用していない旨を表示

例2:乳化作用を持つ原材料を高度に加工して使用した食品に、乳化剤を使用していない旨を表示

類型6:健康、安全と関連付ける表示

無添加あるいは不使用を健康や安全の用語と関連付けている表示です。

食品添加物は、安全性について評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って国において使用を認めています。
事業者が独自に健康及び安全について科学的な検証を行い、それらの用語と関連付けることは困難であり、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがあります。

例1:体に良いことの理由として無添加あるいは不使用を表示
例2:安全であることの理由として無添加あるいは不使用を表示

類型7:健康、安全以外と関連付ける表示


無添加や~不使用を健康や安全以外の用語(おいしさ、賞味期限及び消費期限、食品添加物の用途等)と関連付けている表示です。

おいしい理由として食品添加物の不使用表示をする際に、おいしい理由と 食品添加物を使用していないこととの因果関係を説明できない場合には、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがあります。

例1:おいしい理由として無添加あるいは不使用を表示
例2:「開封後」に言及せずに「保存料不使用なのでお早めにお召し上がりください」と表示
例3:商品が変色する可能性の理由として着色料不使用を表示


類型8:食品添加物の使用が予期されていない食品への表示


当該食品添加物が使用されていることを予期していない食品への無添加あるいは不使用の表示です。

競合商品において、一般的に食品添加物が使用されることがないため食品添加物の使用を予期していない状況であるのに、~不使用との表示をすると、他の商品よりも優れている商品であると読み取るおそれがあり、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがあります。

例1:同種の製品で一般的に着色料が使用されておらず、かつ、食品元来の色を呈している食品に、「着色料不使用」と表示

例2:同種の製品が一般的に当該食品添加物を使用していないことから、消費者が当該食品添加物の使用を予期していない商品に対して、当該食品添加物の不使用を表示(消費者が当該食品添加物の使用を予期していない例としては、ミネラルウォーターに保存料の使用、ミネラルウォーターに着色料の使用等がある。)

類型9:加工助剤、キャリーオーバーとして使用されている(又は使用され ていないことが確認できない)食品への表示


加工助剤、キャリーオーバーとして食品添加物が使用されている(又は使用されていないことが確認できない)食品への無添加あるいは不使用の表示です。

食品添加物の表示については、当該食品の原材料の製造又は加工の過程まで確認を行うことが必要であり、一括表示外であっても、確認結果に基づいた表示を行わない場合、内容物を誤認させるおそれがあります。

例1:原材料の一部に保存料を使用しながら、最終製品に「保存料不使用」と表示
例2:原材料の製造工程において食品添加物が使用されていないことが確認できないため、自社の製造工程に限定する旨の記載と共に無添加あるいは不使用を表示


類型10:過度に強調された表示


無添加あるいは不使用の文字等が過度に強調されている表示です。
表示が事実であれば直ちに表示禁止事項に該当するおそれがあるとはいえないものの、容器包装のあらゆる場所に過度に強調して不使用表示を行うことで内容物を誤認させるおそれがあります。

また、他の類型項目と組み合わさった際、他の類型項目による誤認を助長させるおそれがあります。

例1:商品の多くの箇所に、過剰に目立つ色で、〇〇を使用していな い旨を記載する
例2:保存料、着色料以外の食品添加物を使用している食品に、大きく「無添加」と表示し、その側に小さく「保存料、着色料」と表示


Q4.問題がある表現をしているとどうなるの?

A.パッケージとして問題があるかどうかは文言一つをとって即違反と判断されるわけではなく、総合的に判断されます。
表示禁止事項に該当するおそれが高いと考えられる場合に当てはまることだけではなく、商品の性質、一般消費者の知識水準、取引の実態、表示の方法、表示の対象となる内容などを基に、ケースバイケースで全体として判断されるということです。
もし、いきすぎた表示で誤認をさせる場合には行政から指導などが行われる可能性があるのと、最悪の場合には商品回収ということもあり得るため対応について検討する必要があります。


最後に


私のnoteでは広告規制について書くことがほとんどなのですが、商品の販売には広告以外にも様々な表示への制約があります。
得にパッケージは一度決定したら変更は簡単ではありません。

事前にガイドラインなどの存在を知っておき適宜対処できていればよいですが、何をどこまでやったらいいのかわからない!!という方もいらっしゃいます。

わからないことは専門家にきくのがおすすめです。

当事務所でも表示や広告のご相談に対応しています。
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ひらさこ

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