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ファッションには「必然性」さえあればいい

いよいよ年も暮れです。超不定期更新ながらお読みくださった皆さまに感謝申し上げます。ひとつのいいねやコメントが励みになります。来年はもう少しマメに更新出来るようにしたい。って毎年暮れに言ってる気がする。

最後もやっぱりファッションの話ですが、タイトルの「必然性」は来年のテーマのひとつにしようと思っていることで。

もうなんて言うかね、必然性のないものに溢れてると思うのですよ、世の中が。

必要以上にクロージングしてモノやサービスを買わせようとしたり、買う方も雰囲気やノリで買ってしまったり。後から振り返って「あれって本当に必要だったのかな?」と思うようなモノコトもあると思います。

それが経済活動の側面はあるので否定はしません。ただユーザーの側が「本当に必要なのか」をちゃんとジャッジしていくことは大事なんじゃないかなと。それがエシカルな活動として企業を動かしていくことにもなると思うし。

その前提の上で、個人のファッションやスタイリング、ひいては企業含めたブランディングまで「なぜそれなのか」という必然性が求められてきています。

もう”なんとなくお洒落風”とか”やってる風”いうのは通用しなくなってきている。そういうのはお腹いっぱいだから。それっぽく見せるだけでいいならファッションブランドもカフェもそんなに潰れてない。残っているところは”ちゃんとコンセプトのあるお洒落”だからであって、そこには理由があるのです。

ちゃんとした「コンカフェ」の事例

例えば、個人的に好きなベーカリーカフェ「le petti mec」というお店があるのですが、こちらでは店内にフランスFM局の音声が流されています。

フランス語の店名に、フランスにありそうなパンを揃え、そこにフランス語が一日中流れている。一貫してフランスをコンセプトにしているので、そこにこだわりや必然性が感じられますよね。単に”フランス語流しときゃお洒落になるっしょ”という浅はかな考えでないことが伝わるから、そこに僕のようにフランスが好きで共感するユーザーが固定ファンになる。これで有線のJPOPランキングとか流してたら雰囲気が台無しでしょう。

翻って、自分(たち)の見せ方やブランディングに一貫したコンセプトや必然性はあるか、一度考えてみるべきです。

「3つのW」で考えてみる

ファッションに関しては”3つのW”を考えることで、そこが明確になると思っています。

3つのWとは

Why なぜ
What なんのために
Wear その服を着るのか 

です。

ちなみに僕のパターンのひとつを挙げるなら
Why 童顔なので
What 重みや説得力を出すために
Wear モノトーンを中心にコーディネートする
となります。35くらいで時間が止まってると言われます。。

正直、パッと聞かれて答えられない人の方が多いんじゃないかと思う。そんなに考えて着てない・選んでないよという人が多くて当然だし、それが悪いことではありません。

ただ、もっとプライベートでお洒落に思われたいとかビジネスで印象に残りたい、信用信頼を得たいというのであれば、これは大事なステップとなるでしょう。

別に誰かに「なんでその服なの?」って聞かれるわけじゃないし、、と思うかも知れません。その通り。まず聞かれることはありません。僕も聞かれたことないし。でもそれでいいんです。

今日、その服でいることがあなたの意思表示になっているから。

大切なデートや初顔合わせ(Why)だから少しでも素敵に見せたくて(What)新しい服で(Wear)と臨んだり、大事なプレゼンやセミナーだから(Why)冒頭から信頼を得るために(What)一番評判の良い自信の持てる服で(Waer)だったり、そういう気持ちが服を通して「大切に思っています・リスペクトしていますよ」という意思表示となり、相手に伝わっていく。

自分で「あなたのことが大切だから服を新調してきました!」とか言ったら完全にヤバイやつですが、大抵の人は服を見て「自分のために身綺麗にしてきてくれたんだな」と分かってくれる。つまり服装が語ってくれるというわけです。それはビジネスでも同じ。

直接聞かれるわけではないけど、なぜそのコーディネートなのかは相手に伝わる。それがファッションの隠された大きなポイントだと思っています。

なぜ「必然性」が大事なのか

ここまでを踏まえて、改めてなぜ必然性が大事なのか考えてみましょう。

答えは簡単。
必然性を意識している人としてない人で差が出てしまうからです。

漫然と、なんとなーく服を選んでいる人と、ちゃんと意図を籠めて選んでいる人が同じ印象なわけがない。もう服装で印象が左右されないようなレベルや飛び抜けたキャラの人は別として、我々一般人は意識してる人としてない人では明らかに差が出ます。

それは「考えてやっている人がどうしても目立つ」ということ。やってないのが悪い、ではなくて、やっている人が得をするという理屈です。

今年から爆笑問題さん所属の事務所、タイタンさんの養成スクール「タイタンの学校」でファッションの講師をさせて頂いていますが、やっぱり”なぜその格好なのか”というのが明確な生徒さんは自然と目に入ってくるので印象に残ります。

大事なのは、とりあえず意図を持つこと。
「シソンヌさんみたな知性派に憧れて」黒縁メガネにシンプルなセットアップでというのはスタートしてアリだと思うし、会社員との兼業芸人を目指して舞台衣装もイメージの繋がるビジネススタイルで、というのも面白いと思ったし。とりあえずでも何となくでも、目標やイメージを決めて装うことで必然性が生まれてきます。別に大それた目標でなくても、まず目の前に見えていることで全然いいと僕は思います。

世の中の空気やトレンドを探すこと読むことは簡単な時代。それっぽく見せることは誰でも出来ます。だからこそ”それっぽいだけ”のファッションには魅力を感じられない。

私はこうしたい、こう見せたい、何ならコンセプト聞いてください!というスタイリングの方が面白いのは自明の理でしょう。

服はあなたの代弁者

ファッションは、単に綺麗でカッコ良ければいいというものではないと思ってるのですが、世の中自体がこういう理由、意図があってこれを着ている、ということをより問うような流れになっています。

ステラマッカートニーのようにエシカル・サスティナビリティを標榜しているブランドを好んで着用する人はそういう意識を持っている人と見られるだろうし、STUDIOSで主に買い物をする人は日本のドメスティックブランドを支持している人という見方になるし、表明になる。

そして、自分がこういうことをやりたい、伝えたいという意図と服や見せ方が一致している、必然性が感じられる人は説得力が数倍にも増していきます。

「言行一致」にひとつ足して「言行服一致」
言っていること、やっていることと服装や見た目が一致していないのは勿体ないと思うのです。まぁ著名な服飾評論家なのに目を疑うようなプライベートブランド作ってる人もいるんですが。なーにー?やっちまったな!

でも、そういう事例がひとつでもあると信頼性揺るぎますよね。本人のセンスはそんな感じだったのか、、という。だからこそアウトプットの印象は大事だと思うんです。

目は口ほどに物を言うと言いますが、服も雄弁にあなたを語ります。

ちゃんと意図が表現されていれば相手の印象に残るし、服が曖昧なら与える印象も曖昧になる。質の高低も大事ですが、まずは”3つのW”で必然性のある服を揃えること。ファッションにはさしあたって、必然性さえあればいいのです。

自分が熱烈なファンの芸能人やブランドを思い起こしてみれば、しっかりハートに刺さっているはず。それは誰にだって出来るんだと、ファッションや見た目の力で出来るんだと、2022年も伝えていきたいと思っています。

年内にバイオハザードヴィレッジをクリアしておきたい。どうぞ、よいお年をお迎えください!

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オーダーメイドスタイリスト 神崎裕介

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