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で、結局ファッションの「抜け感」ってなに?

ファッション用語には、新しいものから古いものまで「ふわっとしたもの」が多いなと業界の人としても思っています。そんな言葉たちを”今さら聞けない〇〇”シリーズとして独断と偏見を入れつつ解説していきますね。ニーズがなければすぐ辞めますのでスキをくださいお願いします。

初回は「抜け感」という表現。
これ良く聞きますよね。

さりげないディテールながら、大人っぽい
抜け感を演出してくれるスリットデザイン。
シンプルなアイテムに効かせて、印象的な
動きのあるシルエットを描いて。

https://baycrews.jp/feature/detail/1924

いかにもファッションっぽい構文です。ディティールとか好きよね。それはさておき、抜け感というのをひと言で言うと

あえて手を抜くこと

と定義しています。僕は。
この”あえて”というのがポイントだと思っているのだけど。

例えばデートを重ねるとして。
初回が高層階のフレンチで、次がホテルのイタリアンで、その次がミシュランに載ってる高級寿司で、、と続いていったら、正直ちょっと疲れません?どっちも。誘う方も誘われる方も気分はいい反面、気疲れしちゃう部分もあると思う。

だから適度に隠れ家ビストロとか気楽に行けるお洒落居酒屋とか混ぜると「ちょうどいい」流れ・バランスになるかなと。単なる遊びだったらこのコースでいいんだと思うけど。僕の実例じゃないですよあくまで例えですよ。話が逸れました。

これってファッションも同じなんです。
頭の先からつま先までキチッと決めすぎると、遊びがない。イコール余裕がない感じだったり教科書通りにしか出来ないのかな、という印象を受けます。

そこで、あえて手を抜いてみる。
正統派のコーデとしてはネイビーのスーツに白シャツにネイビー系のネクタイだけどあえて茶系のニットタイにしてみるとか、ワンピースの足元をヒールじゃなくてスニーカーにしてみたり、Vネックのニットの開きをあえて埋めずに細いネックレスを着けるとか。そういうあえてのハズしが”抜け感”になり、バランスがちょうど良くなります。

特に制服でないビジネススタイルだと、個人の裁量に委ねられる部分が大きい。ある程度の枠組みはあるでしょうけど、細部は個人のセンスによって左右されます。僕含めて自営業の人はさらに自由度が高くなりますよね。

そこでいつも全身ブランドで固めるのは正直品がない。それは成功者として見せたかったり張り合いの部分でのアピールであって、お洒落かという視点ではNGです。ギラギラIT系CEOとか私こそが起業女子の頂点とかに見せたいならいいですけど。

それに、今って「ほどよく手抜き」で、みたいな空気じゃないですか。世の中が。

料理も頑張らなくていい的な本が人気になったり「時短」や「人に頼む」といったワードもポジティブに捉えられるようになってきたんじゃないかなと。だからファッションもそういう要素を取り入れていいと思うし、その方が好感される傾向はあると感じます。

無理してキチッと固めすぎるよりは、自分でもリラックスできるポイントを作っておく。

そうすることで自分の心が落ち着いて100%の力が出せたり、フッと力が抜けて余裕が持てる。その余裕は周りにも伝わるのかなと思っていて。

僕はジャケットにカットソーというのが定番スタイルですが、きっちりシャツだと変に力が入って疲れてしまうというのが着ない理由です。自分の中ではそのバランスがベストパフォーマンスを出せるかな、という。

ビジネスでもプライベートでも、いい意味で力が抜けたバランスは相手や見ている人にとっても緊張を強いないのでコミニュケーションとしてもいいのかなと感じています。石田ゆり子さんのインスタを見ていても疲れないのはそこなのかなと。まさに抜け感の化身みたいな感じですよね。

無理しないナチュラルさの中に「その人の素」が見えるのも抜け感のいいところだと思う。今はみんな「素のあなた」を見たいという欲求がありますし。

自分のコーデが硬直してきたな、真面目で面白くないなと感じたら、ポイントを決めてあえて手を抜いてみましょう。上まできっちり留めていたシャツのボタンを開けたり、パンツをスキニーから揺れのあるワイドパンツに変えてみるだけでもオッケーです。

人が見てどうか、という基準より「自分はここを変えたい」と思ったポイントがきっと正解。そのポイントによってその人らしさが見えてくるはずです。まずは実践してみることが大事ですよ。

ほら、人も完璧すぎない方が愛嬌があったりするじゃないですか。ということで抜け感だらけの人間ですが広い心で許して頂ければ幸いです。

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オーダーメイドスタイリスト 神崎裕介



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