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電力業界におけるNFT

最近流行っているNFTですが、私がいる電力業界においても、ユースケースがあることはご存知でしょうか。

NFTというとゲームのキャラクターとか絵画とかそういったものに適用されるイメージを持たれている方が多くあまり電力業界でのユースケースはないと考えられる方が多いような気がします。

どのような場面で使われ得るかと言いますと、電気のトレースを行う場合に使われたりします。

電気は電線に流れてしまうと物理的には他の発電所からの電気と混ざってしまい、使用する側から見ると、どこの発電所からの電気なのかは判別が不可能な代物です。

これをブロックチェーンを使って、擬似的にではありますが、トレースして、電気を使用する人が自分が使っている電気の発電元がわかるようにする、という仕組みが考えられています。

その時に使うのがNFTになります。

NFTは固有IDが付与されているトークンで、ERC721というトークン規格がよく使われているかと思います。
固有IDがあることでそのトークンの唯一無二性を表しているということになります。

一方で電気の特徴はNon fangibleというよりかはfangibleなものなので、NFTではなくERC20のようなFTで表すのが適切なのではと考えられます。

ただ、↑で記載した電気を使用する人に対してその電気がどの発電所からの電気か、ということを表すためには、NFTの方が適しています。
唯一無二であるとある発電所からの電気であることを表す必要があるからです。

また、NFTのように量を表すフィールドがないとどのくらいの電気がある発電所から届いているか、ということを表すことができないので、FTのような性質も必要になってきます。

そこで、ERC1155のように両方の性質を持つトークンが使われることになります。
このトークンを使うことにより、ある特定の発電所からの電気がどのくらい届いていたか、ということが表現できるようになります。

こういった仕組みはGoogleやマイクロソフトが進めている、100%再生可能エネルギーで自社の電力需要を賄う、という取り組み等で使用されたりしています。

こちらについてはまた後日ご紹介したいと思います。

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