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#鳴子峡 息子と二人旅

11月4日木曜日、20:00。
仕事帰りに最寄り駅に息子を迎えに行く。1か月ぶりの帰省だ。
明日は二人とも有給。
せっかくだから、二人でどこか行こうかとLINEでやりとりしていたが、何も決まっていない。
なんだか、お互い、二人で出かけることが気恥ずかしくて
あいまいな応答。

私  「どうするかぁ・・・。」
息子 「うーん」
私  「面倒だったら、やめるかぁ」
息子 「うーん。そんなことないよ。紅葉かぁ。」
   「・・・じゃあ、鳴子温泉にでも行ってみる?」
私  「鳴子温泉?それ、どこ?」
息子 「宮城」
私  「えっ、宮城?そんな遠いところまで、日帰りで!」
息子 「新幹線使えば、そうでもないよ」
私  「・・・」
   「じゃ、行くか」

22:00、やっと翌日の予定は決まった。

新幹線祭り

当日。
緊張からか、明け方目覚めてから、そのまま朝を迎える。

8:21大宮発 はやぶさ103号 古川行を待つ。

大宮駅の新幹線ホーム。
寝不足&久しぶりに見る新幹線だらけに、テンションはマックス!
通勤客の冷ややかな視線をしり目に、写メ取りまくりーーー。

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おー!こまちとはやぶさ、連結合体だ!

そうこうしてるうちに、
乗車する、はやぶさ登場。

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全席指定。
時速300Km。ビューーーーーーン。
滑走路を今にも飛び立つ飛行機のよう。
スピードはマックス。
初めての息子との二人旅に、気持ちもマックスーーー。

9:48 あっという間に宮城県古川駅へ到着。

「快速湯けむり号」 東北の秋 

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JR東日本 仙台支社の皆様の静かな歓迎。

東北4県の祭りと特産品にラッピングされた、可愛らしい湯けむり号。

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10:15 いよいよ出発です。

車内では、着物姿の売り子さんが、飲み物やお菓子をワゴンで車内販売。
新幹線で売っていたスジャータ アイスクリームと、カルシウムたっぷり おしどりミルクセーキを購入。

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湯けむり号は、のどかな田園風景を進んでいきます。

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やがて、時期を少し過ぎた紅葉の山々。

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ほとんどの駅は、ほぼプラットホームだけ。のどか~。

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やがて
鳴子温泉駅到着。停車時間25分。

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ここで降車するはずだったのが、この先の鳴子峡が紅葉の名所と聞き、急遽、予定変更。
ここでは一旦、改札を出て、売り子さんに教えてもらった「栗だんご」を買いに行く。
お土産店の店頭にあった。まだ温かい。
隣りの施設には、足湯ならぬ「手湯」。
これなら手軽に温泉気分。温度はちょいアツ。

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電車に戻って、だんごをほおばる。
プラスチックの箱に栗の入った大きな団子が数個。
箱には、これでもかーとみたらしの蜜がたっぷり。食べ応え満点の「栗だんご」でした。

湯けむり号は、いよいよクライマックスへと進んでいきます。


ついに、鳴子峡へ

鳴子温泉駅を出発すると、電車は鳴子峡へ差し掛かります。
色づいた渓谷を、電車は速度を落として進みます。

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奥に見える「大深沢橋」の上には、湯けむり号の登場を今か今かと待ち望んでいた人たちがたくさん見えました。

紅葉は時期を少し過ぎてしまっていましたが、雰囲気は十分でした。

次の中山平温泉駅で下車。

紅葉を求めて国道47号線を歩きます。
暖かい陽射しに、汗を拭く息子。
人影まばらな、彩をたたえた山あいの国道を二人で歩く。
息子が生まれてから今日まで一緒に過ごしてきた時間の、ひとかけらを
お互いの胸に思い出しながら。

大深沢遊歩道を目指すも、息子の汗を見た瞬間、早々と途中リタイヤ。
電車から見えた大深沢橋で、今度は鳴子峡を通る電車を待ちます。

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そして渓谷の紅葉と周辺の奇岩を楽しみました。

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お昼は、鳴子峡レストハウス前で、紅葉を見ながら具だくさんのきのこ汁をいただきました。

鳴子温泉で名湯を楽しむ

帰りは、一つ戻って鳴子温泉で下車。
街中に漂う硫黄の匂いが、すでに温泉に入った気分。

息子が選んだ個人旅館の日帰り温泉に入りました。

泊まり客が浸る前の湯船に身を沈める。
露天風呂から見える青い空が気持ちいい。
火照った肌を包み込む、冷気を含んだ秋の空気が心地いい。

鄙びた、わずかな数百メートルの温泉街を歩く。
名産のこけし作りを楽しむ親子の姿に、かつての子どもの頃を思い出す。
心地よい秋風に、線路わきのススキが揺れる。
だんだんと傾く陽射しに、街の情景はどことなく寂しい。

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帰路につく

鳴子温泉駅を出発して、お土産を買うため仙台駅へ向かう。

車窓には、秋冷の里の夕景。

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「今お帰りなんですね。おかえりなさい。いかがでしたか」
売り子さんが、覚えていてくれた。
人恋しさに、行きに勧められた「白金豚」のサラミを買う。

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ガタゴト、ガタゴト・・・
とっぷりくれた夕景の闇を分かつように、電車は進む。
帰途についた安心感か、交わす言葉も一つ、二つ。
永遠とは言わないけれど、少しでも長く続いてほしい。
心なしか電車の速度が速く感じる。

松島を通過。

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二人旅もあと少しと思うと、胸の奥で何かが縮む。

仙台駅で

仙台駅で下車。わずか35分間の買い物タイム。

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笹かまぼこ。いかの塩辛。
ままどおる?スイカのマイボトル?

コロナ前の仙台を知らないが、驚くほどの人出、活気だった。
平日の夕刻だったため、仕事関連の人が多かった。

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帰りもやまびこ。

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時速300kmで東北路を駆け抜け、19:31大宮駅に到着。

あっという間の、神様がくれた「特別な」一日だった。


翌日、アパートへ戻った息子から「また行こうね」のLINE。
すっかり大人になった息子に、安堵とともに何とも言えない寂しさを感じた。

「また連れてってね」

晩秋まぢかの 宮城県鳴子峡。

胸の奥に

そっと、そっと、しまっとこっと。

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