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街ブランド

大都市以外、
もしかすると大都市の中でも
中心部が廃れて崩壊していく今の流れ。

たぶん昔はほとんどの地方都市にも栄えている中心街があって、
食う買う遊ぶはそこが中心で憧れ。

お洒落をしないとそこに行くのが恥ずかしくて、
学生の頃は歩く人がみんなお洒落に見えて
自分の格好が「合ってるのかな?」なんて。

ここが崩れていく流れは知る限りだと
街の中心部に"???"という格好の人が増えること。

ファッションに気を使わなくても胸を張って歩けるようになったら
その街は終わりに向かっている様な気がします。

地方都市のそれは顕著で、
ところが一部では人も店も一度極限まで少なくなったおかげで、
"栄えている"とは言えないながらも、
少数精鋭的なショップがまた少しずつ増え始め、
それに伴うお洒落を楽しむ人達がゆったりと歩いているような。

街ブランドの価値が下に向かっている地方都市のもう一つの特徴は
圧倒的にショッピングモールが繁盛していること。

全国どこへ行っても金太郎飴のようなショップが並ぶ安心感。

更にそんな金太郎飴化は中心街でも起きていて、
今やそれとインターネットで成り立つ世の中。

"昔は良かった"じゃありませんが、
他県に行った時の楽しみの一つが街の色の違い。

メインストリートはもちろん、
裏通りだったり路地裏だったり。

人も店も物も。

こと靴に関して言えば、
良くも悪くも正規代理店がしっかりしてきたおかげで、
規制により並行輸入品などが激減。

結果どこの県のどこの店に行っても同じモノしか並んでいない、
という景色の出来上がり。

と考えると、
むしろ中心街ではなく監視の目の届きにくい郊外の方が
好き勝手に商品展開が出来て面白いのかも...なんて思うこともあります。

実際郊外へと移転しているショップも少なくありません。

家賃が高い代わりにモールのような集客力を
街自体が持っていた時代も今や昔。

各ショップがSNS等で独自に集客に勤しまなければ、
土日祝日と言えど多くの来店も見込めず、
それなら街のど真ん中で営業する意味もない。

そうやって少しずつ魅力ある店も人も中心街を離れていく。
飲食業にもその傾向を感じます。

どこの街でも良く耳にするのが、
ビルオーナーの危機感と街への貢献意識の欠如。

どんなに街が砂漠化しても
「家賃を下げてテナントを入れて活性しよう!」
「若い起業家にチャンスを!」という意識は薄いと聞きます。

ビルや土地を所持している時点で満足なんでしょうね。

街ブランドの復権にはこれも大きな問題。

新型コロナウイルスの影響で更に砂漠化は進み、
その後の再興に魅力的で個性的なショップが
果たして街に出店するでしょうか?

同じ家賃で駐車場がついて広さは3倍。
SNSやブログで地道に販促活動をして、
横のつながりを作りながらイベントを打つ。

噂が噂を呼び県内外から来客が増えていって、
顧客も増えていく。

今や街の中にあっても同じことを必死にやらないと
一見のお客様や新規のお客様は掴めない状態。

逆に老舗や人気店の郊外への移転が進む気すらします。

それでも移動手段の乏しい学生時代、
遊びや文化の中心がこの街だったことを思い出せば、
もう一度何か...という気持ちもあるのですが、
それには行政を含めた大きな協力がないと難しいのかもしれません。

城下町熊本ながら城に頼らない魅力ある街づくりとは?
大きな課題です。

新型コロナウイルスによる自粛時の閑散とした
熊本のアーケード街。

その風景が日常的なものになるのも
案外そう遠くない未来の事かもしれません。

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