皆さんこんにちは。美容師の廣田純也です。

今日の掲示板は『在宅訪問美容』を貼らせていただきます。どうぞご覧ください。

先日、以前から伺っている方のご自宅に訪問美容に行ってきました。

『在宅訪問美容』とは、字のごとくサロンに行けない方のご自宅にこちらから伺わせていただき、ご自宅にいながら美容の施術をさせていただくことです。

在宅訪問を依頼してくださる方は、年齢からお身体の具合を悪くされたり、怪我から足腰や膝などを悪くされている方がとても多いです。
ですが、身体が悪くなられていますが「美意識」がとても高く、本当の美容のあり方をわかっていらっしゃいます。僕の方が昔からの美容など、深いことを教えていただくことが沢山あります。

本日のご利用者様も、美容が大好きで美意識をとても強くお待ちの方です。今でも病院に行かれる時、デイサービスに行かれるときの前日など寝る前にご自分でカーラーを巻かれてセットをしっかりされておられます。本当に素晴らしいです。

いつものようにご家族(息子さん)が、ご自宅の駐車場まで出迎えてきてくださり、毎回頭の下がる思いです。
ご自宅に入りますと…
奥の椅子に座っていらっしゃるご利用者さまの「遠いところから来てくださりすみませんね。ありがとうございます。」隣にいらっしゃるご親戚の方が「宜しくお願いします。」と、このご家族みなさんの声をいただき、手指消毒・感染予防対策、風の通り道を作り施術が始まっていきます。

本日の髪型についてのカウンセリングを始めていき、前回の髪の毛の長さだと、すぐに伸びてしまい、自分でカーラーを巻くのが少し難しいので…
普段ご自分でカーラーを巻きやすい長さを残しつつ、短く切ることにしました。
ご利用者さまが、「デイサービスに行くとみんなが私の髪の毛をみて素敵ね、毎回楽しみにしみにしているのよ。と言われるの」…と笑顔で話してくださいます。それを聞いて僕の方が嬉しい気持ちになります。

そのお話しをご家族が聞いていて皆さんで喜ばれているのが凄く嬉しかったです。家族みなさんで訪問美容を受けてくださっている感じがとても素敵だなと熱くなるものがあります。

ご自宅の施術は、切った髪の毛が静電気などで散乱しないように専用のシートを敷き、施術をしていきます。
そして、カットを終えパーマをしていると….
ご家族とご親戚の方の会話が聞こえてきたのですが、お二人とも親御さんを介護なさっているため、介護についての生の声がたくさん出てきました。
介護は、まだ経験がない僕にとってはとても勉強になる話ばかりで、今の自分の仕事内容、仕事への姿勢を見直すような内容ばかりでした！一番心に残っているのは、『介護というのは、やっている者以外にはわからない。』
『福祉の世界の人が言ってることは、難しくて全くわからない！』と、この二つのご意見には衝撃だったと言ってもいいくらいでした。

それだけ、ご家族の方々は常日頃から介護について考えていらっしゃり、悩みや課題をそれぞれ抱えながら過ごしていることが言葉では語れないぐらい伝わってきました。
兄弟がいるからとか、一人っ子だからとか、それぞれの悩みがそれぞれによってみんな違う。
そして、とても印象に残ったのは、支えてくださる福祉関係の(ケアマネージャーさん、ヘルパーさん)を選ぶことはできないから自分でちゃんと勉強しないといけないということです。

もちろん僕達訪問美容師もそうだと、この時強く感じました。だからこそ、その方の気持ちに立てる。役に立つ仕事をしなければいけないんだと痛感しました。

そんな、ご家族の想いを知れば知るほど、より多くの方々と関われば関わるほど、訪問美容師として目の前の方に対して、どれだけ丁寧に役に立つ。
誠心誠意をもって接して役に立つ。このことができるのか！？
ご利用者さま、ご家族さまの『役に立つ訪問美容』
これなんだ！と毎回考えが至ります。

パーマを巻き終え、待っていただく時間も役に立ちたく少しでも喜んでいただきたいと思い、僕の学んだトリートメント「蘇りハンドトリートメント」を施術させていただきました。
お肌に栄養が入り、今のお肌にとても良いので、このことは改めて別の「掲示板」に貼りますのでご覧ください。

トリートメントを終えると…
ご利用者様がご自身の手を見つめながら「自分の手と違う…キレイ…」とおっしゃられてくださいました。その手をご家族に見せてキレイよね。と皆さんで喜んで団らんしていることが凄く嬉しかったです。
マッサージもリラックスしていただけるし、家族の皆さんの役に立つことができたら本当に僕が嬉しい時間です。

在宅でのシャンプーも研究を重ねてお身体に負担のない体勢で行いますので、こんなに簡単に頭が洗えるなんてビックリ！といつもとっても喜んで下さいます。
週に二度のご入浴があるそうなのですが、体調によりそれも簡単な事ではない。とのことですが、これなら毎日でも頭を洗いたい！と喜んでいただけるだけでも、本当に嬉しいです。

ご本人の満足だけでなく、ご家族やご親戚までを含めて、みんなでその場の空気を作っていく。
こういった時間を共に出来ること。
会話や体験が出来ることが、在宅での訪問美容の魅力だなとつくづく思います。

施術が終わり、鏡をみて「素敵」と本当に喜んでいただきました。「またデイケアで言われる」って。

車のところまでご家族、ご親戚が「また宜しくお願いします。」と見送りにきてくださり、家族の素晴らしさを感じ、在宅訪問美容のご自宅をあとにしました。

僕が在宅の訪問美容として、とっても大切にしていること。

美容を必要とされているご本人と、日々介護をなさっているご家族。
その方たちの今ある生活と、今まで大切にしてきた価値観や想いなど。
目に見える表面的な部分だけでなく、どこまでも深く深く想いを届かせることなのだと思っております。
そして、その方をしっかりと尊重し、敬う心を何よりも大切にしながら関わらせていただく。
それが訪問美容師として、何よりも大切なことなのではないかと思っております。

今日の最後はこの言葉で終わりたいと思います。

〜介護をする側、される側、同じ一輪の愛の華〜

株式会社Hearts
廣田純也

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