計画の変更点はメモに残す #60
様々なことにおいて、計画を変更することは多々あるかと思います。
システムを作っている場合のお客様からの要望変更もその一つです。
私はとりあえずやっちゃえタイプなので、方向変換をよくするタイプです。
リーダーをしていたときのメンバーには、振り回されすぎて嫌っていたことでしょう(笑)
その経験から学んだ大切なことは、お客様やメンバーと「こういう状況になったら変更しますよ」とあらかじめネゴっておくことだと思います。
トラブルは予測可能
大抵のトラブルは予測可能です。
もちろん、正確に先を読めるほど頭が良いという自慢ではありません。
ポイントは、リスクを大きく定義するということです。
東北大震災では、想定外の津波で事故が起き原発事故につながりました。
そして、その「想定外」がどのレベルを指すのかが争点になりました。
安易に「想定外でした」と発言するのは、問題を大きくしがちです。
たとえば、「台風が来たら中止します」と予定していた場合、暴風域に入らなかった場合や、豪雨の場合はどうでしょう?
その場合、「天候不良の場合は中止します」と定義しておけば、どちらに転んでも大きなクレームには繋がりません。
事前にトラブルの定義を大きくしておくという意味であって、裏では様々なパターンの想定をしていくことは必要です。
人は過去のありがたみを忘れる
話は変わりますが、日本ほど安心安全な国はどれだけあるでしょうか。
これは先人たちが苦労して作り上げた社会です。
なのに、すぐに揚げ足を取って非難する人が多い気がします。
歴史を例にすると、大きな話に聞こえますが、仕事でも一緒です。
例えば、一昔前は印鑑で上長の承認リレーをしていたものを、一人のメンバーのアイデアで、苦労してシステム化したとします。
最低でも丸1日かかっていた承認作業が、数時間できるようになりました。
すると、導入されたときには「なんて便利なんだ!ありがとう!」と感激されますが、慣れてくると「この見づらい画面をどうにかしろ!」とクレームを出してきます。
これは、過去の経緯を知らない、もしくは忘れているからです。
そして、歴史や過去の経緯、仕事の意義などを考えていない人ほどこのようなクレームを簡単に出します。
この時、役に立つのが経緯をまとめた資料です。
でも、これを作るのが、もー超絶めんどくさいです(笑)
だって、メンバーは明らかに便利さを実感してるし、多少の修正は作った人がぱぱっとやっちゃうし。必要性を全く感じません。
しかし、時が経ち、メンバーが入れ替わり、このクソみたいな仕組みがなぜ存在するのかと思ったときに、その経緯資料があると、怒りが感謝に変わったりします。
ハッピーな気持ちで次の改善活動に取り組めます。
「何をどうしたか」ではなく、「なぜやるのか、運用変更前はどうだったのか」を残すことがポイントです。
意外と変更前の状況ってわからないことが多く、その中に大きなヒントが隠されていたりもします。
また、関わっていたメンバーが書かれていて、その方が社内に残っていれば、膨大な調査時間を一気に短縮することにもつながります。
お客様に噛みついていたころ
プロジェクトが燃えているとき、私はお客様からの要件変更が大嫌いでした。手戻りによる残業は増えるし、メンバーからも非難されます。
なので、要件定義はとにかく細かくやることを徹底していました。
もちろん、使ってみないとわからない、お客様自身もどういう仕組みが最善かはわからないという場面もたくさんあります。
なので、リスクを大きくとって、「この時期までにこの要件が決まらなければ納期を遅らせます。」だとか、逆に「優先度Aの機能に関してはバッファを取らせてください。その代わり、スケジュールが順調だったときは優先度Bの要件も組み込みます。」と、お互いが損をしないように約束していました。
もちろん、プロジェクトマネージャーの立場ではないので、拘束力もない担当者間の口約束のようなものですが、このような話を事前にしておくことで、お客様も真摯に取り組んでくださいました。
私も一部のメンバーには実際の納期を伝えず、楽をするためのバッファではないことを意識していました。
起きるかどうかわからないことに、私がしつこくリスクヘッジをかけることに、面倒くさがる方もいらっしゃいました。
が、経験を積むにつれ、トラブルの発生予測は的確なものにもなってきました。
これは、事前の計画と実行中、そしてその結果を常に繋げて意識していたからこそ身についてきたのだと思ってます。
この意識が低いリーダーだと、プロジェクトが燃え続けます。
ちなみに、この約束を簡単に破るような方にはかなり噛みつきました。
今考えると若気の至りと反省しております(笑)
とにかく何でもメモに残す
重要なのは、とにかく形に残すことです。
何気ない雑談から重要な要件が決まったりもします。
この時に、すぐに作業にとりかかってしまうと、なぜそうしたのかがわからなくなり、目的や責任の所在が不明確になります。
私はこの経緯資料を今の仕事でも意識して作っており、外部との業務提携や役員会などを行う際に役立てています。
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