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[旅行記] 北の町ポルトは寒さの中で

マデイラを後にして、次に訪れたのはポルト。ポルトガルの北部にある、第二の規模となる都市。

飛行機の外に出て、まず気温のギャップに驚く。マデイラでは20℃近くまであった気温は、ポルトでは一気に10℃以下。春から冬に逆戻り。

メトロを使ってポルトの街の中心に向かう。このとき、タッチ式のクレジットカードであれば、切符を買わずに乗れるという便利さに驚く。

切符を買おうとして、料金のことがよく分からなかったので近くに居た係員の方に訊いてみたら教えてくれた。空港との間は料金が固定(2ユーロ)だからできること、だろうか。乗る前のプラットホームに行く前にタッチして、降りたときにはタッチも不要でそのまま駅の外に出れる。

ポルトの初日はいつも通り、街をひたすら歩いて見てまわる。

地図で見てみると、教会や大聖堂などの歴史的な名所が多いと思っていたら、街のあちこちに年季の入った豪華なアズレージョが。街並みも古くからの名残を感じさせるものが多い。街のことをそこまで調べてきたわけではなかったので、とても新鮮に感じる。リスボンが東京ならポルトは京都、といった感じがする。

観光市場のボリャン市場やサンベント駅などの有名どころを巡りながら歩く。いろいろな建物から、古くからあるような雰囲気が出ている。街全体が歴史ミュージアムみたい。どこを切り取ってみても絵になる。散歩するのが楽しい街。

昼は、ポルトといえば、という名物を食べる。ビファーナという、豚肉の生姜焼きに近い味付けのものを挟んだバーガー。

ムイト・ボン! ポルトガルを食べる旅 / 馬田 草織』で知ったビファーナ、そしてその名店と言われるConga。本を読んでから随分と経ってしまったけれど、ここはぜひ訪ねてみたかった。

入口はファストフードらしい立ち食いスタイルの人たちがかなり居て少したじろいだけど、スタッフの方が奥のテーブル席へ案内してくれた。思ったよりも結構広い。

何はともあれビファーナを頼む。と、あっという間に出てきた。

ポルト名物、ビファーナ

これが、あの。まさに写真で見て、イメージしていた通り。

食べてみると、ビファーナは確かに生姜焼きに近いのだけど、まとっているソースはピリ辛オイルで、なんだか今まで無い感じ。そして、やはり美味しい。パンは少し固めで噛みごたえがある。

おなかが空いていたこともあって、夢中になって食べる。聞いていた通り、確かにあっという間に食べきってしまった。5口くらい?

これだけでは足りないので、せっかくなので別のスタイルのものを。ホットドックタイプのソーセージが入ったビファーナ。

こちらの方がパンがカリッとしていて好み。でも、ソーセージはいらないかな。チーズはあると、またちょっと違った味で良い。

こちらも美味しくて、サラッと食べ終わってしまう。名残惜しいけれど、さっと食べてさっと退散。

美味しいし、ほとんど待たないし、スタッフの方がかなり親切。値段も、他の店に比べてもかなり良心的で、これは人気があるのが良く分かる。


夜は、これもポルトの名物らしいフランシーニャを食べる。

街を見てまわるうちに、人気らしい料理店にもかなりあたりがついてきた。いくつかあった、良さそうな店のうちのひとつ、Cafe Santiagoに入店。

通されたのはカウンター席。どうやら常連さんとまかないを食べる店員ばかりが集うカウンターに、ひとり異邦人が混入。でも、作っているところがずっと見れるのはカウンター席ならでは。

こうして見てみると、ファストフードかと思いきや割と作るのに時間がかかる。パティを焼いた後に、完成形に仕上げるべくパンにパティやその他の具材を乗せて、ホットサンドの機械に挟んで焼き上げる。別で焼いていた半熟の目玉焼きを乗せてチーズも乗せて、ソースをかけてサーブ。

……までの間、他のオーダーがたくさん入っていたのかかなり待たされる。眼の前でどんどん出来上がっていく美味しそうなフランシーニャが、自分のではないと分かる瞬間のちょっとした残念さ。おあずけ感が凄い。

それにしても、観光客も多いけど地元らしい人も半分くらいはいる。一気に六個注文したのは常連さんかな。 おじさん、おばあさん、小学生くらいの子供まで! まったく驚くべき店。

ようやく目の前に出てきたのは、もう風貌はじっくり見てはいたものの、やっぱりインパクトが強い。凄いボリューム感。

これもポルト名物、フランシーニャ

ナイフとフォークで切っていただく。早速ひと口食べてみると、味は想像通り、の一歩上を行く。まず、肉がとても美味しい。なんというか、肉々しくてシンプルに脳に訴えてくる美味しさ。粗挽きのひき肉なのか、硬さとかは全然ない。たっぷりかかったソースは、胡椒が効いたピリ辛甘。味的に名古屋のあんかけスパの餡に近い気がする。1回しか食べたことないけれど。

それにしてもこのチーズ! わざわざ目玉焼きをよく見せるために穴があけられているとは。それが四枚も!

やや小さめながら6枚切りくらいの厚さの食パン、その上に肉、そしてハムとチーズ、さらに食パン! 卵にチーズ! 特製ソース!! ダメ押しでフライドポテト!!!

もう、見るからにカロリー高そうなB級グルメ。どこが「フランスの娘さん」なのか、名付けた人の真意を聞きたい。

想像通り、ビールに合う。もうカロリーのことは忘れて、たまにはこういうのも良いかな、と開き直る。

意外と食べるのが難しい。ナイフは想像よりもかなりよく切れて使いやすい、のだけど、慣れていないこともあって途中で全体が崩れてしまう。隣に座る、この店のスタッフが賄いで食べているところを見てみると、形を保ったまま断面も非常にキレイに切って食べ進めている。うーん、美しい。それに比べて自分のはちょっと微妙。どんな料理でも、しっかりキレイに食べられる人は凄い。

かなりの満足感を伴って完食。意外にも味はジャンクフードとも言い切れず、なんだかちょっと凄いクオリティのB級グルメ、という印象。特製ソースのおかげだと思うのだけど、全体的に丁寧に作られているからかもしれない。食材選びも含めて。

奥が深い。けど、週に1回以上はちょっと控えた方が良い料理かも?

ごちそうさまでした。


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