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『生きる Living』人生のトランジション

黒澤明監督の『生きる』を原作に、舞台を大戦後のロンドンに変えたリメイク版『生きる Living』をやっと見ることができました
ノーベル文学賞を取ったカズオ・イシグロが脚本です

オリジナルでは定年も近い市役所の課長(志村喬)が縦割りの組織の中で単調な書類仕事をしています。市民からの陳情もそれは公園課です、とか市民課ですとかたらい回し。
そんな日々が続きますが、胃癌で余命宣告をされこれまで真面目一筋だった彼がダンスホールに行ったり若い女性とご飯を食べたり、、そんな中で生きるエネルギーをもらったのでした。そして市民から陳情を受けた公園づくりについて役所内を猛然と調整し市民の願いを実現。彼の仕事ぶりは死後に語られたのでした

『Living』では舞台をロンドンの役所に移し、志村喬の役はビル・ナイが渋く演じていて、ちょっと威厳がありすぎかな、、、
ストーリーはかなり黒澤版に忠実で、特に課長(志村喬)がとよ(小田切みき)をあちこち引っ張り回す場面は本作でも十分に描かれる。女優さんも似た雰囲気だったですね
しっとりとしてて美しい映像のいい映画でした。

定年近い勤め人というとどうしても自分に重ねてしまいますがw
課長の場合は余命宣告を受けたことが人生のトランジションになったのでした、そこからの活躍が市民の夢を叶えたのです。
きっかけは色々でしょうが、シニア層になってもトランジションは起きるでしょうし、僕もなんか世の中に貢献して爪痕を残したいといつも思っています

ところで志村喬の役柄の年齢設定が51歳というのには驚いた、、、え、年下かい!昔の51歳というとこんなお爺さん感があったのだろうかw



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