見出し画像

Azure Spring Cloud Enterprise

Spring の変遷と新たな一歩

今から10年以上前、Springは目新しさから、世界の大企業や最も重要なワークロードを動かすフレームワークになるまで、長い道のりを歩んできました。
Spring BootやSpring Cloudの登場、そしてコミュニティの継続的なサポートと貢献により、Springはこれまで以上に普及しています。
最近の業界レポートによると全Java開発者の約60%がSpringを利用しています。
さらに開発者はSpringを利用して、より複雑なシステムを構築し、パブリッククラウドにデプロイするケースが増えています。

VMwareはSpring開発者が最も重視するのは、アプリケーションを構築してビジネス価値を提供することだと考えています。
これに対し大規模な環境を維持・運用することは、開発者の生産性を低下させるとも考えています。

画像4

その考えに基づきMicrosoftとVMwareは、Microsoft Azure環境でSpring BootやSpring Cloudアプリケーションを迅速に展開、運用、拡張できるマイクロサービス向けのフルマネージドサービス「Azure Spring Cloud」の一般提供を2020年9月に発表しました。

Azure Spring Cloudは開発環境から本番環境まで、さまざまな環境で活用できます。
しかしこのサービスを利用しているお客様と話をしているうちに、さらなる価値を提供するための共通の機会がいくつかあることがわかりました。

・マネージドサービスでは企業の要件に合わせた追加の設定や柔軟性が必要になる
・開発組織は柔軟性を重視する一方、変化するビジネスニーズに合わせてシステムを拡張・進化させるために、確立された効果的なパターンやガイダンスを求めている
・ITチームはクラウド・インフラとチームが利用するOSSの両方について、企業としてのサポートと運用サポートを必要としており、両者が完全に統合されていることが理想的

このようなお客様の要望に応え、Azure Spring Cloudをさらに発展させ、Azure Spring Cloud Enterprise Tierを発表しました。

画像5

目的:エンタープライズ向け Spring Cloud の提供

Azure Spring Cloud Enterprise Tierとは

・Microsoftが管理するSpringのサービス
・VMware Tanzu テクノロジーを含む
・エンタープライズのSpring開発者向けに以下を提供
 - エンタープライズグレードのサポート
 - コンフィギュラビリティ
 - 柔軟性
 - ポータビリティ

Azure Spring Cloud Enterprise Tierは、既存の Azure Spring Cloudの既存の2つのTierであるBasicとStandardにさらに追加して提供されます。

画像3

Azure Spring Cloud Enterprise Tierは、様々なお客様にご利用いただけます。

例えばエンタープライズグレードのサポートを求める現在のAzure Spring Cloud Standard Tierのお客様はAzure Spring Cloud Enterprise Tierへのアップグレードを選択することができます。
Enterprise Tierは、社内外の顧客にAPIを公開したり、ビジネスアプリケーションを構築したりといった一般的なユースケースでSpring Bootを活用しているエンタープライズSpring開発者向けに、これまでにない最高の体験を提供します。

エンタープライズグレードのメリットを享受

Azure Spring Cloud Enterprise Tierは、エンタープライズSpring開発者にとってパンチの効いた製品です。そのメリットの一部をご紹介します。

Tanzu製品をマネージドサービスとして提供

Enterprise Tierには、VMware Tanzu Build Service (TBS)、Application Configuration Service for VMware Tanzu、VMware Tanzu Service Registryなど、VMware Tanzu独自のコンポーネントが含まれています。
それだけではありません。TanzuチームがSpringフレームワークの上で革新を続けているように、私たちはAzure Spring Cloud Enterprise Tierにさらに多くのエンタープライズ対応コンポーネントを提供します。
これによりSpring Bootを使ったマイクロサービスの構築などの活動がさらにシンプルになります。

高度な構成と統合

Azure Spring Cloud Enterprise Tierではイメージの作成に使用するビルドの依存関係を制御し、既存のビルド環境に合わせてビルドパックを構成したりすることで、ビルドパックを完全にカスタマイズすることができます。
さらにTanzu独自のビルドパックエコシステムを利用することができ、Enterprise Tierではこれらのビルドパックに対して独立したソフトウェアベンダーの統合を利用することもできます。
さらにEnterprise Tierでは、Azureサービスとのネイティブな連携も可能です。

画像2

Left: A view of buildpack configuration options in Azure Spring Cloud Enterprise Tier; Right: A nonexhaustive set of ISV buildpack integrations available with Enterprise Tier

かつてない移植性と柔軟性

Azure Spring Cloud Enterprise Tierは、Tanzuコンポーネントで構築されたSpringワークロードをAzure Spring Cloudに迅速にリフト&シフトする方法を提供します。
さらに同じTanzuコンポーネントの構成を、既存のBasic、Standard、および新しいEnterprise Tierで実行することができます。
Enterprise TierはTanzuコンポーネントを必要に応じて利用できる柔軟性があり、無限のスケーリングオプションを備えています。

画像3

Developers have flexibility in configuring Azure Spring Cloud Enterprise Tier's VMware Tanzu components.

高度なサポート

Azure Spring Cloud Enterprise Tierは、VMwareのワールドクラスの24x7 VMware Spring Runtimeサポートを通じ、開発者に比類のないエンタープライズグレードのサポートを提供します。
さらにSpringの専門家へのアクセスや、企業向けに設計された人気プロジェクトのパッケージ版へのアクセスにより、Springの可能性を最大限に発揮します。
さらにEnterprise TierではSpringライブラリの使用中に発生したバグやCVEについて、サポートチケットを発行することができます。

原文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?