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「只だ一燈を頼め」 〜『言志四録』より

ここ2ヶ月ほど、僕のまわりでは「佐藤一斎」が話題です。ご存知ですか?

佐藤一斎は、江戸時代後期を生きた儒学者です。朱子学だけでなく陽明学にも明るく、佐久間象山、渡辺崋山らをはじめとする門下生は6,000人とも言われています。吉田松陰、勝海舟、河井継之助らも間接的にその教えを受け、幕末から明治維新にかけて活躍した多くの志士たちに強い影響を与えました。

その一斎先生が、42歳から88歳まで40年以上をかけて記した箴言集(全1133条)は「言志四録」と呼ばれています(言志録・言志後録・言志晩録・言志耋録の総称)。西郷隆盛はこの言志四録の中から101条を選んで「手抄言志録」とし、座右の書として亡くなるまで肌身離さず持っていたそうです。

以下、そんな言志四録のなかから一節をご紹介します。

只だ一燈を頼め

「言志晩録」の第十三条に収められている言葉です。

一燈を提げて
暗夜を行く
暗夜を憂うること勿れ
只だ一燈を頼め

人生には暗い夜道を歩くようなときもある。
そんなときも、志を提灯として掲げていれば心配はない。
その灯を信じていけ。

とても勇気が出る言葉です。

最澄の言葉と言われる「一燈照隅 萬燈照国」と相まって、僕にとっての言葉のごちそうとなりました。今後の人生をかけて、味わっていきます。

 ◇ ◇ ◇

そんな佐藤一斎&言志四録についての講演会が、10/20(土)午後に開催されます。

「今こそ活かせ!『西郷どん』が愛した佐藤一斎『言志四録』」
~佐藤一斎「言志四録」普及特命大使が語る。
 国鉄改革、会社役員の体験から、人々に今求められること~

講師   窪田哲夫氏(佐藤一斎「言志四録」普及特命大使)
日時   2018年10月20日(土)16:00 - 18:00
場所   駒沢大学大学会館246(7階)
     東京都世田谷区駒沢1-17-18
会費   2000円

佐藤一斎の生まれた岐阜県恵那岩村で、「言志四録」普及特命大使をつとめている窪田哲夫さんによる講演です。

西郷どんをはじめとする幕末志士たちが言志四録から何を感じ取ったのか、考えてみませんか。詳細・お申込みは以下のURLからどうぞ。


※小泉純一郎 元首相が国会審議で紹介した、こちらの言葉も言志晩録からの一節です。


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