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短編集「からあげ」

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きっかけはとある日のツイキャスでの一言。 「じゃあからあげで1つ、小説をお願いします」 それから始まる、唐揚げを巡る短編集 【“からあげ”を登場させた短編小説を緩く募集します】
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からあげふたりータヌキさんー

匿名係長タダノタヌキさん

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匿名係長タダノタヌキさんの「からあげふたり」音声化です!
タヌキさんから素敵なプレゼントを頂いちゃいました(*´艸`*)独り占めしたい気持ちもあったのですが、皆さんにも聞いてもらいたいっということで許可をいただけたので公開いたします!!



https://note.mu/amenonakahitori/n/n90cac0a19d6f?magazine_key=m972e3f685dc8


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十羽の鶏

今はむかし。
峠に十羽の鶏がおりました。
十羽の鶏は粗にして野で大声でした。
時をかまわず、ときの声をあげ、
お日様まで迷惑するほどでした。

ある日、峠をこえる旅人がおりました。
いつものように十羽の鶏は大声をあげ、
ぐるぐる駆け回りはじめました。
旅人は、びっくり。
腰を抜かし、天に向かってお祈りを始めました。

すると。
空から、銀色に輝く大鍋が降りてきました。
大鍋の中では油がぐらぐらと煮

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からあげ

からあげ

#雪人形さん の場合↓

https://note.mu/snowdool/n/n48f0dcede3e3

週の初め。

午後9時。

今、思えば、唐揚げなんて食べたくなかったんだ。

ちょっと立ち寄ったコンビニで買った唐揚げ。

昨日飲んだまずい酒が効いたのか、食欲がなかったので。

「いいや夕方にでも」

と思って、匂いがつくのも気にせず、バッグに忍ばせた唐揚げ。

都心街を車で走らせ、

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上げて落とさず、オトして揚げるのだ

上げて落とさず、オトして揚げるのだ

 鶏は決して自らの行く末がからりと揚がった姿だと思わない。しかし、人間は違うのだ。生の鶏もも肉を見て、すでにサクッとした茶色の衣と肉汁溢れるプリっとしたその身を思い浮かべている。
 醤油とみりんとおろし生姜の液に浸っている姿はもう食料だ。「美味しく食べてあげるからね」なんて言った所で、包丁を入れて一口大に切る前、スーパーでどこ産のにしようか選ぶずっと前、工場でパックにつめられるずっとずっと前にこの

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ツイキャス発信!ニッチ企画マガジン創刊しました。【短編集「からあげ」】

ツイキャス発信!ニッチ企画マガジン創刊しました。【短編集「からあげ」】

きっかけはとある日のツイキャス。

noterが数人集まっておりました。

発端は何だったか忘れました。何故か「からあげ」の話になりました。

そして、とある一言が飛び出します。

「じゃあ、からあげで1本短編をお願いします」

……。

数日後、ここnoteに1本の短編小説が投稿されました。

とあるnoterがその配信にて即興で書いた冒頭約40字を、見事作品にしてみせたのです。

さらに、続い

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