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酔っ払い

業務中はしっかりしている人でも、ひとたび酒が入ると違った一面が見えてきます。盃を重ねるにつれ、あきれる程同じ話を繰り返したり、電車で帰ればいいのに歩いて帰ってみたり、酔っ払いの行動は滑稽で突飛です。なかには犯罪行為にまで及ぶ人もいます。

脳には有害な物質をブロックする『血液脳関門』があります。脳のバリア機能を果たす器官で分子量が500以下のものや脂溶性のある物質はこの脳関門を通過します。この2条件を満たすアルコールは分子量46でここを通過します。そして脳全体の機能を一時的に麻痺させる為に酔っ払い状態になります。

アルコールによる影響が出やすいのは前頭葉、小脳と海馬の3か所です。

前頭葉は理性のガードマンですがここが麻痺すると結果的にコントロール機能が低下します。他人の悪口や秘密、自慢話を言いたくなります。普段なら絶対言わない事を喋り始めるのはこの前頭葉の麻痺が原因です。

やたら大きな声を出すことや、下ネタを話す。遠い距離を歩いて帰ろうとする。『ここだけの話』が出てくるのもこれです。つまり前頭葉が開放されるとお喋りになります。

小脳が麻痺すると運動のスムーズさや正確性が保てなくなります。千鳥足になる事や呂律が回りにくくなるのはこのせいです。

海馬が麻痺すると同じ話をします。一度話した記憶をセーブできていないからです。一方、酔っ払っても帰宅できるのはこれは長期記憶された内容だからです。

これらは自分にも思い当たる事がいくつかあります。実際大阪で飲んでいたのに朝、気が付くと自宅のベッドで寝ていたということもありました。タクシーで帰宅したので道順も教えていたのだろうと思います。

アラビア人とスラブ人は白人

遺伝との関係

私達ホモサピエンスは黒人(ネグロイド)から白人(コーカソイド)そして黄色人種(モンゴロイド)の順に進化してきたと言われています。一見すると白人と黒人は肌の色が全く違うので大きく異なっているように見えますが、遺伝子的には黒人と白人は近く、黄色人種の方が離れているとの事です。

その事を立証する一つにアセトアルデヒド脱水素酵素の有無が挙げられます。白人と黒人はアセトアルデヒド脱水素酵素をたくさん作ることができる『N型遺伝子』を持っています。ところが、黄色人種の中にはこれを作れない『D型遺伝子』を持つ人がいます。

この遺伝子を持つ人は黄色人種の中でも新種で、今から2∼3万年前に大陸で誕生したと言われています。日本人は元々縄文人が住んでいた処に後から稲作文化を持った弥生人が大陸から渡ってきて両者が混血しながら今の姿になったと言われています。この大陸から渡ってきた弥生人がD型遺伝子の持ち主らしいです。

ところで酒に強い奴の方が偉いという文化は世界中にあります。事実、酒の飲み比べのような事は世界中で行われていますし、日本でも昔は娘が結婚相手を連れてくると父親がつぶれるまで酒を飲ませるという事が行われていました。高知や九州などでは今でも酒が強くないと生きていけないというくらいコミュニティでの地位に関係してくるそうです。

ポーランドの結婚式では3日3晩親戚が集まってウォッカを飲み続けるという事でしたので自分の健康を考えて、娘の結婚披露宴の参加はやめておきました。後で聞いた話ですが、京都での披露宴の時、向こうの親戚の女性間で『日本人はなんであんな弱いお酒を少し飲んだだけで酔っ払っているのだろう』と話し合って、夜になってからホテルの部屋で飲み直していたらしい。

実際少し前まで日本でもお酒が飲めないというと男社会では『なんだ飲めないのか、ダメな奴だな』と嘲笑されたり『俺の酒がのめないのか』と無理やり飲まされたりするような事が行われていました。私の父は『軍隊の時には飲めない事で随分苦労した』と言っていました。

なぜ酒が飲めることが大事なのかというとそれが男としての強さと直結すると思い込まれてきたからです。体はある程度鍛えて強くすることはできますが、お酒に対する強さは先天的なものが大きいので鍛えると言っても限界があります。

そしてどんなに腕力が強い人でも酔っ払ってしまったところを襲われたら勝ち目はありません。飲み比べは暴力を使わずに正体を失わない強さを競い合う手軽な手段であり、遊びでもあります。だからお酒に強いという事が人間の強さの証明のように思われてきたのでしょう。しかしこのような風習は戦争をする上で大変不利になります。そこでイスラム教では簡単にこれを徹底する目的で『神により禁じられている』としたのでしょう。

日本人はすぐに酔っ払います


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