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日本は中国よりも共産主義っぽい。

私の友人に中国人がいます。
彼女から「日本は中国よりも共産主義っぽい」と言われました。
私は、「名言だわ」と思うと同時にぞわっと怖くなったので今日はそのお話を。

コロナ禍が始まったばかりの2020年の春。
当時、広島ではコロナ陽性者はまだ出ておらず、学校は休校。卒業式・中止。運動会・延期。修学旅行・延期という状況でした。全国のスーパーではホットケーキミックスが品薄になるという状況。(ステイホームの子供たちのために全国のママが購入)

彼女とは子供同士が仲良くなったことから知り合いました。いわゆるママ友。
学校にも行けず、子供たちが鬱々としてるので、「コロナも広島にはまだ来ないっぽいし、一緒に遊ばせる?という話になりました。子供たちが元気に走り回っているのを遠めに見ながら二人でコーヒーをすすりながら、時事問題を語っていました。

勤め先の景気どう?という話から、雇用調整助成金の話になりました。
当時、私は残業残業の日々を送り、土日も出勤の日々を送っていました。

「私も、お給料(雇用調整助成金)をもらいながら、家で子供たちとホットケーキミックスでお菓子作りたいよ。この2か月忙しすぎて総菜ばかり子供に食べさせてる。ほんまやる気なくなるわ」

と、愚痴をこぼしたところ、

「日本って、共産主義っぽいよね。少なくとも資本主義じゃない」と。

海外のロックダウンで海外需要が冷え込んで日本国内企業は受注が確保できない。こういう社会が不安定なときは、中国人はがむしゃらに頑張るよ。だってクビになりたくないし、会社が倒産して転職しなきゃいけなくなったら、やっぱりスキルと資格じゃない?そんな時期にホットケーキミックスでお菓子作ろう・つくりたいという発想が資本主義じゃありえない。一人二人はいるかもしれないけど、ホットケーキミックスが品薄になるのは異常」と指摘を受けました。

マルクスの主張によると、生産力が高度に発達して、各人は能力に応じて働き、必要に応じて分配を受けるのが理想の社会とされています。

ああ、そうか。私の勤め先はコロナ禍でも受注を受ける高い営業能力をもっているから、その能力に応じて働くのが義務なのか。この気持ちは体制への不満による腹立ちなのか。と思いました。

マルクスの理想社会は計画生産なので、外需の不安定さにより、働けない人が出てくることはあり得ないんでしょうが、でも当事者の心の動きは一緒かなぁと。

とある仕事について、能力が高い人が好きで仕事に就いていればHAPPY。能力が高いけど、嫌い。でもやってる。っていう人は、お金という対価がなくなったらどこに気持ちを持っていけばいいのか?

営業とか、まさしくそれだと思います。
トップのセールスマンが、みんな営業の仕事が好きか?って言われたら違うと思う。
営業が転職なんですよ~ってパワフルに仕事している人と同じくらい、ストレスで体壊しながら成績を残している人もいるはず。

いや、営業もなくなるのか。必要数しか生産しないんだから売り込まなくてもいい。

でも高所作業とか、危険作業とか、みんなやりたくない仕事のうち、向き不向きがはっきりしている仕事って以外と多い。

嫌いだけど能力があってその仕事に従事している人視点では
能力がない人が、自分よりも人生を楽しそうに過ごしているのを目撃することは辛い。

ソ連が崩壊したのは私が小3の時。マルクスの思想も、社会主義も共産主義も、一通り知っているはずなのに、他人事だと思い込んでました。

ゆっくりと温められる水。水温の上昇を知覚できず茹だるカエル。それは私かもしれないと、怖くなったお話でした。


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