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PART9「さらば異星。」

※この記事はTinderのプロフィール欄を使って
定期更新しているエッセイのバックナンバーです。

 
目が覚めると、部屋は自分一人を除いてもぬけの殻になっていた。時刻はAM9時半。10時のチェックアウトに合わせて目覚ましをかけていたのは自分だけだったらしい。さしずめ、他の宿泊者達は朝一の格安便で帰ったのだろう。ドミトリーに泊まった翌日に観光をする人間の方が少ないのだ。得体のしれない宇宙人達。顔は愚か、声すら知ることを許してはくれなかった。いや、知らない方が浪漫があっていいじゃないか。怪奇現象の神秘に浸りたいのなら、裏側は判明しない方がいいことを人類が科学の歴史で証明している。自分はこう見えて結構なロマンチストなのだ。
朝食を貰わずににチェックアウトを済ませた。朝食といっても、申し訳程度にトーストとコーヒーが出てくるだけである。もちろん、1000円強でこれだけのサービスは魅力的。がめつい普段の自分なら間違いなくご馳走になっていただろう。しかし、今回ばかりは遠慮させてもらった。僕がこの後に目指す朝食は、博多最強の豚骨ラーメンだったからだ。続→

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