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孤児から見えてくる社会

 最近、電車に乗って幸せそうな家族を見た時ふと少し前のことを思い出しました。自分は実習で児童養護施設へ向かったことが有りました。その帰りに子どもを見た時に心の中で違和感を感じましたがすぐになんなのかわかりました。それは「自分にとっての当たり前が変わってきていた」と言うことです。本当は子どもに両親がいる事が当たり前です。しかし、その両親がいる事に違和感を覚えてしまっていました。実習をする前から思っていましたが、この時確信に変わりました。「自分は施設の職員は向いていない。恐らくなった時は自分の倫理観は壊れてしまっている。」とよくパラレルワールドに迷い込んだ話があると思います。自分はそのパラレルワールドに迷い込んだ主人公のような感覚に陥ってしまってました。電車で子どもが騒いでいると隣に親がいるのに注意してしまう。それくらいに何か自分の倫理観が壊れてしまう。そう思ったのです。だからこそ自分は先生で生きよう。それが向いているから。

見てきた経験から思ったこと

 皆さんは孤児にどんなイメージが有りますか?「人間性が終わってる」とか「ヤンキー」みたいなイメージはありませんか?そんなことないんです。自分は先ほど言ったように実習に行って感じたことは今自分達が見ている子どもと何も変わらない。変わっているのは親がいないだけ。それ以外何も変わりません。反抗期で「うるせぇ!!」とか言って言うことを聞かない中学生。よく喧嘩をする小学生。何も変わらないんです。なのに、それをメディアが悪く言うんです。だから、マイナスなイメージが生まれてきてそれが膨れ上がって今の孤児に悪いイメージしかないと感じました。

お金と親が全ての社会。

 それ以降、自分は社会について考えた時、職員の言葉が頭の中に横切ってきました。「この子達には過去の生い立ち的にすぐに話を聞く事が出来ない、同じことを繰り返してしまう。」この言葉は幼い子どもにとって親の離婚がどれだけ影響が大きいか、施設に預ける事が子どもの心にどれだけ影響を与えるかを示した言葉だと思います。子どもたちは何度も同じ言葉を言わなければ聞いてもらえません。それは数時間、数日という単位ではなく数年、数十年という年月を掛けないといけないかもしれないぐらいです。しかし、エリートや偉い人たちはこう言います。「努力は身を結ぶ」「努力したから成功した。」と確かに、施設生活から成功した人はいますが、今の社会は両親がいて、家族がいる事が当たり前。周りの人に優しく出来ないし、何か起こしたらそれはその人が悪い。心の傷がどれだけ影響を与えるのか考えず、結果だけを見て決めている。もし、酷ければそれは障害と変わらないのに、それを本人のせいと言うのは自分はおかしいと思います。皆さんだって病気になって足が動かなくなったら。病気になったお前が悪いなんて言われたら理不尽だと思いませんか?自分は、施設の子が生きにくい今はお金と家族で全て決まる。いわゆる親ガチャだと思います。愛着関係もしっかりしてないのにいきなり社会に出させる。準備期間なしで社会に出させる。そうして成功するのはほんの一握り、「天才だから」「賢いから。」そんな人はほんの数人です。だから自分は親ガチャだったりお金が全ての社会だと思います。


そんな社会が行き着く先

 かつて、リーマンショックの時に多くのホームレスを産んでしまった過去があります。その時、ホームレスになった人達は「オヤジ肌」のような頑固で知的ではない人が多かったです。そして、そう言う人はホームレスになって生きていける人たちが少なかった過去があります。自分は、この出来事を見た時や西南戦争」を思い出しました簡単に言うと明治の時代、武士と呼ばれた人達は自分達の立場の復権を図って戦った戰、しかし、武士の人達は負けてしまいました。こうして「武士」という考えを持つ人達は今で言う「老害」に近い立ち位置になってしまいました。今だってバブル時、高度成長期に生きてた人達の中では見窄らしい生活になってしまった人達だって多くいます。
 このように「新しい考えの人たち」が「古い考えの人たち」から立場を奪うことで歴史は動いてきたと思います。しかし、今はそれが出来ない時代。そうなった時、歴史的に辿ってみると同じ事が起きた時はデモに走る時代が有りました。大正時代の時、自由ではなかった事にストライキに近い形でデモを行っていました。かつては武器が使えたから出来たり、それをもみ消す力がなかったから出来た事だと思います。しかし、夢物語ではないのです。先程書いたようにストライキや義務の放棄は出来ます。「言論の自由」だったり働かなくても良い、「義務の放棄」が増えてきてる社会。「ひろゆき」さんや「ホリエモン」さんと言った人が有名になってきてる今を考えるとその時代に近づいて来てる気がします。そして、凶悪な犯罪も増えてしまうと思いますし、親がいない家庭の子どもに逆風にもなっていく。そのような時代が来てしまう可能性があると考えます。

そんな未来が来ないようにするために

 自分は、そんな未来が来ないことを祈ってます。しかし、人の能力、親の力だけで位を分ける時代、アメリカや資本主義の思想に大きく影響を受けた国ですが、その時代に限りがきてしまってるかもしれません。世界的に北欧の考え方の「ジェンダー平等」、お金の為に地球を汚していたのにそれと逆風の考えの「SDGES」、日本では30代の人が働かずにニートになる人が多くなったり50代の息子を90代の親が面倒を見る「5090」問題、ある程度のお金持ちが永遠に社会を牛耳るようになっているからこそ起きる問題、弱者の人がお金持ちと同じようなチャンスを作れないと日本がなくなる時代も夢物語ではないと思います。だからこそ、みんながみんな、生き甲斐がある社会にしていかないといけないと思いました。



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