虐待が増え続ける社会に思うこと

 自分が高校生の頃にお祭りに遊びに行った時のことです。自分の母校がお手伝いしていて偶然出会した自分もお手伝いすることになりました。自分はビラ配りのお手伝いをしてた時、一人の幼稚園ぐらいの子どもがいたのでその子にビラを渡そうとしました。

「はい、ビラどうぞ。」

 しかし、その子はビラを貰わずにこちらを睨んでいました。その子の目はとても冷たくて胸に突き刺さるものでした。自分だって今まで色々な子どもと接して来ました。

自分は学習支援ボランティアをして片親の家の子の相手もしています。しかし、その子の目は今まであって来た人の中で一番冷たくて一番突き刺さる視線でした。その視線に自分は少し立ち止まっていたら親御さんらしき人が来ました。

「ごめんなさい。ビラ配りの邪魔をしてしまって。」

 そう言って来た人はいっぱいの子どもの相手をしててその子の親ではなくことは明白でした。自分はブースに戻って高校の先生にその話をしたら、どうやら児童養護施設の職員の人だったそうです。そして、その子どもは養護施設の子ども・・・両親が子どもを引き取らなくて見捨てた家庭の子どもでした。後に職員さんがブースにお礼を言いに来たので勇気を振り絞ってあの子どものことを聞いてみました。少し嫌そうな顔をしましたが自分がずっと視線を逸らさず見つめていたら口を開きました。

「あの子は産まれた時からお父さんとお母さんに暴力を振るわれてて、そのせいで脳に障害が少しあるんです。」

 パンチドランカーというのを聞いたことありますか?ボクシングなどで頭部にダメージを受けて来た結果数年後、数十年後に脳の障害が残ってしまう病気です。あの子もそれと同じ状態のようで、そのきっかけは両親の虐待だったそうです。

 その言葉を聞いた時、自分は少し後悔をしたのと同時に初めて親が居ない子どもが知らない人にどのような態度を現すかを身をもって知りました。人によっては違う反応をするかもしれません。しかし、その時の自分は虐待がもたらす『冷たい視線』痛感しました。メンヘラとかヤンデレとかやヤバいやつとかが放つ物とは違います。言葉で言い表すのが難しいのですが、気持ち悪さと冷たさと痛さがミックスしたもの憎悪に近いものを感じました。


虐待が増え続ける社会

この記事は子どもの虐待防止を呼びかけるオレンジリボン運動さんでも書いてあるように日本での虐待の件数は日に日に増えています。この記事でも書いてあるように20万件を超えるほど深刻化して来ています。
 虐待防止法ができる前だと日本では当たり前でした。しかし、「我が国では虐待はない」と世界に言っていました。ですが、現代社会でも日に日に虐待は増えています。虐待されてた子が親になると子どもに対する育て方がわからなくて虐待してしまいます。そして、未来がある子どもがなんの罪もないのに殺されてしまう。仮に養護施設に行ったとしても心や体に『何か』は残ってしまうし、養護施設育ちだと心の傷のせいで勉学が追いつけない子がお金欲しさに反社会的組織に入ってしまうケースもあり日本の治安悪化にも間接的に繋がってしまいます。

無関心で未来を想像できない日本人

では、虐待はどうして起きてしまうのでしょうか?実は、自分が挙げたこの記事と共通するところがあると思うのです。


今回は共通するであろう3つの要因を挙げていきたいと思います。

1.助け会うことが減ってる。

 皆さんは電車とかで騒いでる子どもを見てどう思いますか?「なんとも思わない」と思う人もいるかも知れません。しかし、中には「うざい」とか「うるせぇな」とか思う人がいるのではないですか?

 障害を持ってる人はなりたくてなった訳では有りません。ですが「排除したい」そう考える人がいたり、SNSで悪口を書いてる。でも、行動をしないようにしてる。そうやって穏便に済ませよう、見て見ぬ振りをしよう、無視しよう。としてる人が多くなってるから助け合うことが減ってると思います。それは子どもを産んだ親にはとても負担が大きいことなのです。皆さんは子どもを育てることがどれだけ大変か知っていますか?それとも、『何も考えないで子どもを産んだ親が悪い』と考えていますか?この考えを怖いと思う人もいれば便乗する人だっていると思います。自分はこの考えが出て来たことこそ今の社会がどれだけ自分中心で『助ける』余裕がないことの象徴的な言葉だと考えます。

2.ほんの少しでも『未来』を考えない。

 では、何故ここまで他人を助ける思考が減ってしまったのでしょう。ネットの発達?それとも、政治が悪い?自分はそれ以外にあると思うのです。それは一人一人が未来から目を逸らしてることです。

 今の社会は少子高齢化が騒がれていますよね?にも関わらずその対策が最近子ども庁が出来たぐらいですよね?しかも、税金を上げたりと若い人への負担が大きい昨今の日本社会どうしてここまで若い人への負担が大きくなってしまうのでしょうか?それは簡単です。得票数を多くもっているのが70歳ぐらいの人が多いからです。

こちらは2019年度のですが人口ピラミットのグラフです。このグラフに書いてあるように65歳以上の人が多いことが分かりますね?そして、投票する時にここの人が有利になるようなことを狙えば票を多くもらえる訳ですし、新しいことをやるにしてもSDGsの時に書いたように他の国と『競争』していかないといけない為に優先順位が下になります。なので、この人達に『そうだそうだ』と促して子どもへの関心を持たせればそういうのも見て票を入れるので国が良くなる可能性があるのですが・・・・それがうまくいってないのです。何故なら「どうせ後先短いのになんで先の世代の為に何かしないといけないの?」となるから。皆さんだって「100億年後に地球なくなりますから今のうちに投資してください!!」なんて言われても「100億年後なんだから死んでるし。」ってなりますよね。65歳以上の人からするとこんな感じなんです。

しかも、こちらの平成30年度に内閣府から発表された資料によると独身、夫婦の家庭が増えてる傾向に有ります。

さらにはこれから増えていくとされています。これは言い方を変えると「子どもや若い人が苦しい思いをしていく」ということでも有ります。しかし、後先が短いのでこれを見てもなんとも思わない人は少なくないのではないでしょうか?ですが、こうなってくると年金制度が無くなってしまうことも言われています。しかも借金が増え続けてるので2050年と言われてますけどもっと速くなる可能性もあるのではないかと思います。しかし、日本人は意外にも予想する力が弱い人が多い傾向があるのです。トヨタが2050年を迎える頃には衰退してると言われます。『電気自動車が盛んになっていくから日本の水素車は売れない。』電気自動車はアメリカ、中国が強いです。皆さんはこれを知ってて行動できてるのでしょうか?

3.しつけ

皆さんは、子どもが言うことを聞かなかったりした時や怒る時どのように起こりますか?罵声を浴びせますか?怒鳴りますか?それとも、手を出してしまいますか?それを「しつけ」と言ってませんよね?実は、日本の教育がいけないところは「しつけ」なのです。海外だとそのようなことはしません。泣くなら泣かせっぱなしだったりします。しかし、日本は暴力を振るうことを「しつけ」といったり、怒鳴ることも「しつけ」とされて来たからそれをしてしまいがちなのです。日本の「しつけ」は海外からすると厳しいらしいです。しかし、その理由の一部は上2つが絡んでいるのではないかと自分は考察しています。

何が出来て、何を考えないといけないのか?


 自分は大学生なので出来ることは少ないです。せいぜいボランティアをしていくことがやっとで何か子どもの為に独立するのもいいと考えましたがこの社会は資本主義で利益や結果が出なければ意味がありません。むしろすぐに消えてしまいます。ですが、これから社会に出てノウハウを身につけていけばきっと道が見つかると思っています。皆さんにだって考える力があるはずです。ですので『ものすごく小さくても何か出来ないか』と考えたりしてみて下さい。得票数を多くもってる人が納得して子どものことを考え、少しでもあの目をした子どもが減っていく社会になって欲しい。そして、皮肉にもその子どもから社会の黒い部分を学ぶこととなりました。もしあの子に会わなければここまで書くことはないと自分は心からそう思っています。
 この文章を書いたものとして虐待をされてる子どもを少しでも助けれる立場になりたい、社会が子どもに関心をもってもらえる尚且つ『みんなが得する方法』を考えていきたいです。

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