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GAFAの時価総額が日本株を超えた!これからのビジネスについて(第23回目2021年8月29日(日))

GAFAの時価総額が日本株全体を超える

スタートアップは世界を変える!先日、日経新聞でGAFAの時価総額が日本株全体を超えたという報道がありました。日本は米国・中国のプラットフォーマーに支配されるのか?今後どうなるのか?日本の将来は?などについてClubhouseで話しました。その内容をまとめます。

シンガポールでのGrab/Gojek/Uberの成長戦略

(GAFAの話の前に、巨大スタートアップが生まれてくる背景をちょっと話しました)

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ナリンさん:シンガポールでは、元々国家経営のタクシー会社みたいなのがいっぱいあった。そこにUberが登場した。

Uberは一時期一人勝ちだったが、ドライバー確保のためにすごいインセンティブを組んだり、乗る方に向けてもインセンティブを用意し、どこからみても利益とれていないビジネスになっていたが、スケールさせていた。

その後、マレーシアからGrabがシンガポールに進出してきた。その後、インドネシアからもGojekがはいってきた。そうなるとバトルロイヤルがはじまり、ドライバー確保、乗客確保でいろんなインセンティブが組まれていった。最終的にどこからみても誰も利益とれない。

ここからは勝手なぼくの予想ですが、Grabの大株主であり、Uberの大きな株主であるソフトバンクグループがブローカーして素晴らしい結果を出した。Uberがシンガポールから全ての権利をGrabにわたす形で、UberがGrabの10%の株主になった。ソフトバンクの素晴らしさというのが発揮された。

ポールさん:Grabはシンガポール政府からの出資がある?

ナリンさん:Grabはマレーシアからきているが、シンガポールのGICやTemasekとかも相当(資金的に)バッキングしている。

シンガポール政府はこういう目のつけどころが良い。伝統的なタクシー会社のConfortの筆頭株主も国。タクシー会社が苦しむところでGrab等にも出資している。

GAFAの成長理由と日本の既得権益と規制

高階さん:日本では地方における移動手段、インフラとしてタクシーが存在する。利益率まで規制があり、タクシー会社は国に守られながら、社員を雇用しているのでUberが入ってくるときには大きな反発があり、規制で入れなかった。

タクシー会社もDX等をやって、便利にしようと頑張っている。

日経新聞のGAFA記事の意味するところは?

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ポールさん:記事を読むと

クイックファクトセットによると、GAFA4社合計の時価総額7兆500ドル(約770兆円)に対し、日本は6兆8600億ドルにとどまる。両者の時価総額は7月に逆転し、8月以降は差が開きつつある。

と書いてあります。

これは日本株全体ですね、この4社が日本株全体の時価総額を超えていることです。もちろん時価総額は文字通り一時的な話なんですけれども、どういうふうにこのようなことが起きたか、さかのぼって20年30年日本の大手企業さん、そして日本国のポリシーも、国策がどのような影響を与えたか、あとは最近、スタートアップが以前よりもかなり人気にはなっています。それに対して、国内ではスタートアップのファンドさんが期待できる投資のポテンシャルはどうなってるのかなとかについては、今日ぜひ皆さんと一緒にお話できればなと思います。

工藤:いろんなITサービスが、結局GAFAの上でのサービスにならざるを得ないという形なりつつあるところがあって、いわゆるプラットフォーマーとして表現されてる、そのGAFAをはじめプラットフォーマーが自分たちでルールを作っていくことができるっていう立場にある。例えば、Appleでアプリを出したときにApple App Store載せてもらえるか・もらえないかどうかや、そこにおけるその手数料がいくらかっていうところを全部Appleが決めるわけなので、そこには逆らえない。

強者弱者というのがどんどん分かれていく。大きなものがどんどん強くなっていくっていうところは非常に恐ろしい。これはまた国をも巻き込んでのお話になってくると、ユーザーから集めたデータを誰が集めていくか、このデータどうやって使っていくかっていうところの話も、日本国としてもいろいろ考えなきゃいけない。

日本そして日本人としては、日本からも世界をまたぐような大きなサービスを提供でき、世の中がより便利にそして公平になっていくような、そんなサービスが出てくれば良いなっていうふうに思っている。国もだし、いろんなプレイヤーが金融機関ともども、そのような新しいサービスを何とか育てるために何をすべきかっていうところを一緒に考えられたら良いなと考えている。

[少しだけClubhouseの案内]

Clubhouseで毎週 日曜日 正午から「スタートアップ奥義」として、グローバル人材が開催する「スタートアップジャーニー」をテーマとした部屋です。一般的に知られてないスタートアップのこと(奥義)についてオープンに話します。国内外の資金調達、採用、市場展開からファウンダーと投資家の関係管理、チームの精神保健などまで幅広くディスカッションをしよう!起業を考えている方、起業を悩んでいる方、ちょっとだけ興味を持った方でも大歓迎です。

Moneytreeのポール チャップマンさんと、メリービズの工藤博樹の二人ではじめた、この番組には

高階 匡史さん:NTTドコモ・ベンチャーズ Managing Director

中畑 裕子さん:サスティナシード株式会社 創業者・代表取締役CEO、株式会社ナック社外取締役

ナリン・アドバニさん:entomo共同創業者、日本ユニシス社外取締役、等多数のスタートアップの役員・エンジェル投資

今回は、第23回目の放送として、2021年8月29日(日)に開催された回の主だった内容をここにまとめます。

日本のプラットフォームビジネスへのチャンス

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高階さん:ドコモは「iモード」でプラットフォームをつくっていた。これで世界にいこうとしたが、グローバル展開はうまくいかなかった。アメリカのAT&Tワイヤレスに出資するなどの活動もしていた。

昔の話では、1980年はJapan as No.1の時代で、その頃は時価総額で世界一だったのがNTTグループ。その後、パソコン時代になり、パソコンのOSを取れたか?その後インターネットがでて、インターネットのブラウジング、サーバーの技術、その後モバイル。モバイルではiモードがタイミングがよかったのですが、そこをAndroidとAppleが変えていった。

世界進出・グローバル展開に大事な「標準化」

プラットフォームをもっと古い形でいくと「標準化」という言葉にあるが、日本は標準化の設定をするのが下手になっている。

裕子さん(中畑さん)が話しているダイバーシティーの話ではないですが、いろんな人達と一緒に仕事をする、いろんな価値観を持つ人たちと一緒に仕事をして成長するっていう体験があまりにも少ないんじゃないか、そこに根があるっていうふうに私ちょっと感じている。

そこからプラットフォーム事業ができない、人材を投入できない、そしてグローバルに戦えないという順番になっている。

工藤:「標準化」ときくと、DVDの規格、もっと古いとベータ/VHSのビデオでの規格、最近だと自動車の自動運転、QRコード決済などで国際的な標準になるのか?がその後グローバルなサービスとして広がるかどうかを決定できている。

高階さん:世界を席巻してきた日本の製造業は高い品質で成功してきたが、さてインターナショナルなスタンダードを設定しようとなった瞬間、インターナショナルコミティになった瞬間に弱くなるという現象がずっと続いている。

今回もEVでスタンダードがヨーロッパからきたり、SDGsもスタンダードはヨーロッパからきている。そういうところでGAFAが今、日本のマーケット全部飲んじゃうぐらいの価値になってるのと同じような状態になるんじゃないかと危惧している。

中畑さん:東南アジアの事業開発をたくさんやっていたときの体験。インドネシアで楽天の看板をよくみかけて、「楽天インドネシアに来たんだ」と思っていたが、数年したら撤退というニュースが。

日本企業の下手なところとしては、グローバライズしようとして、ローカライズに失敗している。現地に沿わないようなものが非常に多いことに気が付かないままずっと押し通そうとするっていう傾向がある。

日本でうまく海外戦略できてるところって本当に5本の指で数えられちゃうぐらいしかないんじゃないか。

なぜアメリカでいつもいろいろ新しいものが起きて、日本は本当は真似するのがすごく上手な国なはずだけれど、そういった事業展開は真似できていないのか。製品は真似できても、その戦略とか組織とかが弱いのかもしれない。

ファッション業界が皆こぞっと中国にいくと業界全体でタッグを組んで進めた時期があったが、尽く失敗した。当時は、わたしは海外経験がなかったのでわからなかったが、いま思えば、現地の仲介者に頼りすぎていたかも。自分でいかないとダメ。自分の足でその地に行き、自分で手を動かしてというのがないと騙される。

日本企業の時価総額は今後もっと下がる?そしてGAFAは...

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ゲスト:時価総額は水物で、日本株の時価総額は日銀が買い支えている株価。実態はもっと危ないのでは?

高階さん:日経新聞の記事では財務指標もでていて、いわゆる有利子負債もっている会社・もっていない会社の平均になっていて、営業利益から毎年毎年のフリーキャッシュフローが生まれてくる額と、有利子負債があって、いかに資本をうまく使っているかという解説も載っている。

そこでいくと、Apple, Alphabet, Facebook, Amazonはものすごいフリーキャッシュフローを生んでいる。日本の平均でいくと全然営業利益、フリーキャッシュフローが伸びていない。実態、将来的なキャッシュフローと成長という意味では、日本の株価っていうのは日銀の支えがあるからこそキープしてるので非常に危ない状況っていうふうに、日経新聞でも書いているという感じですね。

GAFAを含めグローバル大企業の節税問題について

ゲスト:もともと役所にいたので腹立たしいなと思ってしまうんですが、GAFA企業は大変財務の運営が上手いらしくって税金を払う額がものすごく少ない。日本企業は真似できるのか?

高階さん:トヨタはそれをやらないちゃんと税金を払うことを大事にしている。日本のために産業があるっていうことで、ちゃんと税金払うことをすごく大事にしている。日米問題、ローカルの問題の場合も、現地に工場を建てて、猛烈に税金を払う。それに対してGAFAは拠点をアイルランドなどにもっていき全然払わないようにしている。

税金逃れが良いのか・悪いのか、議論はでてくると思う。

米国と日本とのビジネス比較

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ナリンさん:GAFA時価総額ですが、Microsoftもいれましょう。なので、GAFAM。

米国企業の時価総額のランギングの順番でいうと、Apple, Microsoft, Alphabet (Google), Amazon, Facebook。米国株のトップ5がこの5社。

比較して、日本ではトヨタ、キーエンス、ソニー、NTT、リクルート。トップ3はものづくりの会社。ソニーはものづくりとソフトウェア・サービス、NTTは通信サービス、リクルートがサービス会社という形で、そもそもやっていることが違う。

米国トップ5はものづくりの会社はいない。ちなみに、米国6番目はテスラ、8番目がNVIDIAである意味ものづくりの会社。

ものづくりをしていない、ものづくりを放棄した・他人任せにしたというのが1点目。

スピード。課税の仕方とかの話も出てきたんですけど、どこでどういうふうにしっかりやるかっていうのを後回しにし、とりあえず結果を何か出して、その後税金どこで払うかとかっていうふうにも動いている。国も同じように動くべき。どうやって会社を、優秀な会社優秀な人材を確保するかっていうところにポリシーメーキングに時間をかけちゃうと、やはりこれ会社間の競争があると同じように国間の競争もあって、そう優秀な企業をどうやって引っ張ってくるか、優秀な企業をこの国の市場で上場させるためにどうするかっていうのもやっぱり国も考えてるし、取引市場も考えてるし、銀行も考えてるし、その相対性がやはり日本の場合まだ少し繋がってないのかなあという気がする。

最後に標準化。面白いことに日本も実はOSの世界で標準化図った。80年代、90年代のTRONっていうOSがあり、パソコンではB-TRON(ビートロン)、通信ではC-TRON(シートロン)、組み込みいわゆるもの作りではMICRO-TRON(マイクロトロン)、あとI-TRON、これ標準化した。ところがソフトウェア標準化したものの、その下で動いているマイコン、ハードウェアがみんなバラバラ。NECは自分の半導体作る、日立は自分の作る、東芝も自分の作る、そして富士通も自分の作る。これが10種類あって、アメリカの場合はモトローラ・インテル2社と対抗して、勝てなかったっていう背景も忘れてはいけない。なので標準化はできた。が、ハードウェアではバラバラだった。やっぱりハードウェア思考で物事を考えていたから起きたことかなという形で三つ感想を共有させていただきました。

... それ以外にも

日本のソフトウェア産業の構造的欠陥

ソフトウェアは大部分が人材派遣。2次請け、3次請け。開発と呼んでいるが仕様書にそってつくっているだけのところが多い。

日本の製造業マインド

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日本はものづくりから抜け出せていない。ソフトウェアはひたすらバグを潰すこと、安定することを考えている。

製造業の成功のジレンマに陥っている。製造業では人の命に関わるので品質を守る。ただ、積み上げ型なので進化が遅い。

米国は試して修正するという文化。

その他にもいろいろなお話がありました!ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!

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