スライド3

手品家のビジネスモデル

 手品家は、2006年に高松店をオープンしてから、2018年までに15店舗を数えるまでになった。平均的に見ても、1年に1店舗以上をオープンさせているし、2018年に限っては、6店舗を開店させている。2019年には、さらに10店舗を開店させようと、画策が為されている最中である。なぜ、これほどハイペースでの出店が可能なのだろうか。


ホリエモンから得た発想

 これだけ早いペースで出店できるためのアイデアをとりっと氏が得ることができたのは、ホリエモンこと堀江貴文氏と出会ったからだった。その出会いは、手品家新宿店の来客が、堀江氏を紹介してくれた、というものであったので、家賃が高くなかなか採算が取れない新宿に店舗を出したのは、この一件があっただけでも、正解だったととりっと氏には思えた。
 こうして堀江氏と出会い、共同で仕事をしようとしたときに、その考え方にとても刺激を受けた、ととりっと氏は言う。何かをするにあたって、自分でお金を出して、自分で働いて、自分で経営をするのが当たり前だと思っていたところに、それとは全く違う分業制を堀江氏は行っていたからである。事業プランは堀江氏が担当するが、プロデュースは別の人が行い、お金を出すのはさらに別の人で、経営するのはまた別の人、というように、役割を分担していたのである。このように堀江氏は、お金集めや材料集めではなく、人集めによって最速でやりたいことに到達するように考えていたのをとりっと氏は知り、これが手品家経営におけるブレイクスルーになったと言う。

 手品家の場合は、1店舗を開店するにあたり、3000万円ほどの資金が必要で、利益を出して資金を回収するまでに早くても2、3年はかかる。どんなに上手くいったとしても、自分でやるのであれば、年間1店舗の開店が最速であるだろう。しかし、それでは、とりっと氏の考える未来像に対して遅すぎるのだ。もっと早く出店できる方法はないのだろうか、と考えたときに、堀江氏のやっていた分業制を適用できると、思い当たったのである。


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