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スザニの刺し方(ステッチ)〜ボスマ(4)

ボスマ(ブハラ・コーチング・ステッチ)の仕組みは「渡した糸を留めて表現するステッチ」とシンプル、スザニにはボスマのバリエーションが見られます。スザニの刺し方(ステッチ)〜ボスマ(3)

典型的なボスマをご紹介したところですが、なんと!上の写真のステッチもボスマです。刺繍糸の表情がまったく違いませんか?

長いステッチで留めるボスマ

まず糸を渡して、留めるステッチで戻ってくるという基本は同じです。異なるのは留めるステッチの入れ方です。表に出る糸を長く、裏に出る糸を短くして、表側のステッチを渡した糸に斜めに沿わせます。

では、19世紀のスザニをアップで表裏見てみましょう。木綿布に絹刺繍、色が変わる境目も隙間が開くことなく、美しいステッチです。

19世紀のスザニ(表・部分) 広島県立美術館蔵
19世紀のスザニ(裏・部分) 広島県立美術館蔵

では、上の刺繍を目指して刺してみます。ときどきは裏側を見ながら…。

ボスマのサンプル(表面)
ボスマのサンプル(表面)

小さなパーツでも刺してみると、かつて刺繍した人たちと作品への敬意が増しませんか。

では、また次回をお楽しみに。


※ 今回使用した写真、タイトル上画像と19世紀のスザニは木綿布に絹刺繍、サンプルは木綿布に25番刺繍糸6本どりです。