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和製英語を撲滅したい!

前回、日本はオリジナルの呼び方を尊重する国だと言いました。しかしながら今日は全く反対のことを言ってしまいます。お許しください。

日本には和製英語が多すぎる!

例えば 「ハイタッチ」。

日本以外では言わないですからねぇ~、そんな言葉!
高く手を挙げてタッチするから「ハイタッチ」になったのでしょうけれど、英語圏の人に言っても通じません。
英語圏の人たちはそのことを「ハイ・ファイブ」と呼んでいます。

でもわかるんです。
「ハイ・ファイブ」の方が意味わからないですよね。
でも、「ハイ・ファイブ」は片手で「ハイ・テン」は両手だ、と言われるとわかる気がしますよね?!
そう、手の指は5本なので片手でタッチするときは「ハイ・ファイブ」、両手だと指は10本になるので両手でタッチするときは「ハイ・テン」になるんだそうです。

とはいうものの、フランス人はしません。
夫にしようとすると、しれーっとした顔をします。
フランス人でも若い世代はしますが、うちの夫はオヤジなのでそんなことはめったにしません。
逆に、
「なんやねん、ハイ・ファイブって」
と苦笑したほどです。

そして、少し前に言った「フレンチスリーブ」。

フレンチスリーブとはどんなものかとネットで調べてみると、Fashion Pressではこのようになっていました。

袖付けでの切り替えがなく、身頃からそのまま裁ち出された袖のこと

色んな人になぜ「フレンチスリーブ」と言うようになったのか聞いてみましたが、答えが全く分かりませんでした。
英語では「Kimono Sleeves(キモノ・スリーブ)」ではないかと言ってしまいましたが、洋服の英語版辞書を見ると、「Cap Sleeves(キャップ・スリーブ)」となっていました。
「Kimono Sleeves」はもう少し長めの袖のことを言うみたいです。
間違っていてごめんなさい!

フランスではなんと呼ぶのかというと「mancherons(モンシュロン)」。

フランスのブランドがあのような袖をした洋服を発表し、それを見て日本人の誰かが「フレンチスリーブ」と名付けたのかもしれません。
タンクトップよりも袖が長めで、二の腕を少し隠せることができるため、おばさまたちの体型隠しに一役買っています。とっても人気になったデザインだけに、名前を付けたかったんでしょうね。しかも「フランス」とつくと更にファッショナブルな気がして、おばさまたちは飛びついたことでしょう。
そういう私も、フレンチスリーブ、たくさん持ってます。

ちなみに、「ワンピース」も日本だけです!
ワンピースを英語では「ドレス」と呼びます。
ドレス、と聞くと、イブニングドレスのようなものを想像しますが、ワンピースはすべて「ドレス」です。

このように、英語だと思っていたら和製の言葉で、外国では通じないことが山ほどあります。
しかも、英語の言葉はそのままなのですが、カタカナ読みにするので全然通じないこともあります。

一番身近なところでは、「コーヒー」。
“コ”のあとは、伸ばしませんから!
「コフィ」
と書くのが正しかったのだと思われますが、なんだかダサいので、きっとこれじゃあ国民に浸透しなかったでしょうね。

私が英会話を習い始めた時、一番大変だったのは、この和製英語とカタカナ英語を全て忘れることでした。
そして、じゃりン子チエのレイモンド飛田のせいで(って、そんなわけはないのですが)関西弁なまりの英語を話していたために、へんなイントネーションになっていた。
その頃、標準語は話せるようになったのですが、英語になったとたん、
「あんた、関西人やろ」
と知らないおばさまに声をかけられたことも。。。トホホです。

そんなことを言っていたら、最近驚いたことがあります。
それは「ジレ」。
日本を3年離れていたら、いつのまにかファッション雑誌に「ジレ」という言葉が登場し、驚きました。
いつから「チョッキ」のことを「ジレ」と言い出したのでしょう?

実は、「ベスト」は米語で、英語では「ウエストコート」と呼ぶそうです。
ちなみに「チョッキ」は日本語です。ジャケットを着る前に、シャツの上に「直接着る」ので「直着」が語源なんだとか。

2018年に起こった、フランス政府の燃料税引き上げ方針をきっかけに、街頭に繰り出して始まった抗議運動のことを覚えていらっしゃいますでしょうか?
車への常備が義務づけられている黄色いベストを着ていたので、日本では「黄色いベスト運動」や「ジレジョーヌ」ともいわれましたよね。
ジョーヌは黄色、ジレはベストという意味なので、そのまま「黄色いベスト」という意味でした。

その運動のせいで、「チョッキ」をフランス流に「ジレ」と呼び始めた可能性なんてあります?!

そういえば、「つなぎ」も最近では「サロペット」と呼んでいますよね。
サロペットもフランス語です。

話がそれたついでにもう一つ。
日本で「ズボン」と呼ぶものは、米語では「パンツ(pants)」、英語では「トラウザー(trousers)」です。
ズボンとカタカナで書きますが、純正な日本語だそうです。
不思議。

寄り道をたくさんしてしまいましたが、とにかく日本では和製英語が多すぎます。
それが英語を勉強する弊害になっているのではないかと思うのです。
和製英語がはびこるこの国で、英語を取得しろと騒ぐ政府に言いたい。
この際、この言葉は和製英語、この言葉は何語、と小さくサインを入れるとか、分かりやすくした方が“ええじゃないか”と思うのです。カタカナで表記されているだけですものね。

って、本当はすべての和製英語を撲滅したいです。混乱するからね。

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