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プロジェクトにおけるワークフロー構築の重要性

この記事は僕が勤めている会社「エヌ次元株式会社」の、2022年Qiitaアドベントカレンダー19日目になります。
アドベントカレンダーの詳細は、こちらをご覧ください。

エヌ次元ではWeb/アプリ開発にあたり、「プロジェクトマネージャー」が、クライアントやチームメンバーの中心となり、要件定義・ディレクション・進行管理・クライアントとの折衝を行います。さらに僕も含めて、提案営業を担当するメンバーもいます。

なおこれらを担当する職種を「ディレクター」と呼称する会社も多いですが、エヌ次元ではプロジェクトマネージャー(PjM)と呼んでいるので、ここではこの名称で統一しています。

今回はPjMの観点から「世の中で言われるプロジェクトマネジメントの難しさ」そして「プロジェクトにおける、ワークフローを構築する」というテーマをお伝えします。


プロジェクトマネジメントの重要性と難しさ

プロジェクトマネジメントの精度は、プロジェクトの成否に直結します。

  • 要件定義(開発・デザイン)

  • 進行管理

  • 品質管理

  • 予算管理

  • 上記に付随するドキュメント作成

  • 上記に付随するクライアントとの折衝やフォローアップ

  • 上記に付随するチームメンバーとの折衝やフォローアップ

ざっと思いついただけでも、PjMには上記の職務が存在します。
そして職務を遂行するにあたり、技術の知識・知見・経験、感性、対人調整力、交渉力、段取り力、リソースを管理をする力など、プロジェクトマネジメントには様々な能力が要求されます。
実際にこれらを上手く行うことができず、結果プロジェクトを炎上させてしまった経験は、多くの人が持っていると思います。

また炎上までは行かなかったにせよ、赤字を出してしまったり、お客様との関係構築に失敗したり、チームメンバーの不和を招き離職の起因としてしまったなど、失敗事例の枚挙にいとまがありません。

この様に一筋縄では行かず、あらゆる部分に影響も大きいのが、プロジェクトマネジメントの難しいところです。

プロジェクトマネジメントが難しい4つの理由

ではなぜプロジェクトマネジメントは難しいのか?という疑問が生じますが、難しい理由は一般的に4つに分類されると思います。

  1. 対人調整が職責に大きなウェイトを占める

  2. 知見の共有が難しく、学べる機会が少ない

  3. PjM自身が炎上の気配に気づき辛いケースが生じる

  4. PjM自身やチームメンバーの能力により起こる品質の上下

それぞれ解説していきます。

1.対人調整が職責に大きくウェイトを占める

1つ目は対人調整が職責に大きくウェイトを占める点です。

PjMはクライアント企業の担当者やチームメンバーといった、多くの人とコミュニケーションを取り、プロジェクトを進行します。人間なので時には感情的になったり、クライアントの担当の方の立場では無理を言わざるを得ない状況など、人間・組織起因で様々な困難が発生します。

人間・組織という不確定要素の強い物を相手に動く以上、こういった問題は大なり小なり必ず起きるので、いかに調整していくかが腕の見せ所になります。そのため、対人調整に注力できる状況を作る必要があります。

2.知見の共有が難しく学べる機会が少ない

デザイナーやエンジニアであれば、練習で手を動かし技術を習得することで(一定のレベルまでであれば)能力の向上が可能です。しかしPjMの場合は、実践でなければ能力の向上が難しい職務内容の背景があります。

もちろんPMBOKなど体系的にまとめたカリキュラムも存在しますが、最終的には実践での習得ありきになるのが現実ですし、1でも書いたように相手は人間なので教科書通りにいくケースの方が稀です。
そして失敗経験も、そこには必ず付きまとうことになります。

3.PjM自身が炎上の気配に気づき辛いケースが生じる

特に納期が短い・迫っている場合など、プロジェクトの進行に前のめりに集中してしまうと、PjM自身が炎上の気配に気づかない、もしくは炎上しそうと理解はしているものの、体や頭が状況の変化に追いつかないといったことも、体験している人は多いのではないでしょうか。

これには自身のリソース管理が行えていない、もしくは組織で行えていないという背景が一般的に大きいと考えます。

4.PjM自身やチームメンバーの能力により起こる品質の上下

Web/アプリ開発の品質には、様々な技術的な知見・経験が影響します。しかし、メンバーによって知見・経験がまちまちなこともあり、品質が上下変動します。

これもプロジェクトマネジメントを難しくしている一因と言えます。

余談:株式会社ベイジさんのウェブ制作ワークフロー

僕は昔からこういった悩みやモヤモヤを抱えていたのですが、その中で2018年に出会ったのが、ベイジさんの「ウェブ制作ワークフロー」でした。現在は改定されて、2021年版が紹介されています。

それまで経験で覚えるという事で実務をこなしてきた僕は、Web制作のプロジェクトマネジメント・ディレクション・納品物まで踏み込んだワークフローで「制作工程を仕組み化する」という観点に衝撃を受けました。

また、今年の7月にそのベイジさんが開催した、こちらのウェビナーに参加しました。
その際に積み重ねで構築を行い、そして現在もアップデートを重ねていると話をされていました。

自社流のワークフローを構築する

実はベイジさんのワークフローに初めて出会った1年後に、上記のツイートをしていました。自社流ワークフロー構築の重要性に着目はしていたのですが、現在に至るまで結局実現に至らずという状況です。

エヌ次元もそろそろ30人規模の体制が見えてきており、来年はエンジニア以外の職種を増やす構想もあることから、本格的にワークフロー構築に着手する事が必要と考えています。

まとめると、ワークフローを構築することによるメリットは、以下があげられます。

「プロジェクトマネジメントが難しい4つの理由」の軽減

1つ目のメリットとして、冒頭に書いた4つの理由を軽減することができると考えています。 こうしてワークフローを第三者視点として構築することで、特に炎上リスクの回避に繋がると考えます。

また、メンバーによる過去の失敗を、知見として集約することも必要です。

上記の記事に、「同じ失敗を2度繰り返させるな」という事を書いたのですが、まさにこの点になります。
甘やかしと感じる人もいるかもしれませんが、それでも失敗するのが人間やプロジェクトだったりするので、このぐらいの意識がちょうど良いのではないでしょうか。

品質の底上げ

ドキュメント等のフォーマットや、チェック項目を整備することで、結果的に品質の底上げに繋がると考えます。
ワークフローを構築することにより、本来注力すべき品質の向上や、対人調整に重きを置くことができるというわけです。

新人PjMの育成を行いやすくする

最後にプロジェクトマネージャーの育成も、ワークフロー構築により行いやすくなると考えます。
特にPjMは求人市場での分母が少なく、デザイナーやエンジニアと違い、目指す人が少ない実情があります。
そのため、特に未経験の人を育成をしていくという観点が重要になってきます。ワークフローがあることで、彼らへの指針とすることが可能になると言えます。

おまけ

エヌ次元ではプロジェクトマネージャーも通年で募集しています。

一緒にワークフローを構築し、組織の強化に努めたい方を歓迎しています!
ぜひ興味がある方は、応募をご検討ください。

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