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列車はいいね『一番後ろ』

最近、電車の一番後ろがとてもいいことに気がつきました。

ライブに向けての練習があって、まったく貨物列車を見に行けないというもどかしい日々が続いていた先月のこと、『こうなったらもう電車でもいいじゃないか!』と強引に電車に舵を切り、貨物見に行きたい熱をむりやりに抑え込もうと人知れず努力していた私でした。
例えば電車のパンタグラフばかりを観察してみたり、何両編成なのかをいちいち確認してから乗ってみたりと、今思うとその努力は一体何だったのかと我ながら苦笑してしまいますが、その努力期間のとある日、ふと 

あ、今日は一番後ろに乗ってみようかな…

と思ったのです。

これがね、めちゃめちゃよかったんですよ。そういえばちびっ子たちがよくここにへばりついていたよなぁと、その場所になんとなく自分で立ってみるとなんと!今まで見たことのない世界が繰り広げられているではありませんか。なんやこれは!
この世界に私は秒で引きずり込まれてしまったのです。

乗務員室の窓から見える線路の世界。いつも見ている横の風景とはまったく違い、角度を変えて見るだけでこうもおもむきが違うものかと衝撃が走りました。

電車が出発し駅のホームを撫でるように進みはじめると、階段からちょうど降りたばかりのこの電車にギリで間に合わなかった人が立ち尽くしている様子や、扇子をあおいで電車を待つお着物のおばさまや、こちら側に向かって指差し確認をする駅員さんなど、そこにはたくさんの物語がありました。特に駅員さんの確認作業はホームで見るのとは違って、電車そのものに向かって全身を使って『大丈夫!行ってOK!』と伝えているようでその迫力に心が震えましたし、私がいつも使っている駅のホームも思っていた以上に大きなカーブを描いていたことも知りました。

さらに駅を離れて本格的に走り出すと、点滅した信号機が次から次へと現れ、まっすぐの線路に所々で曲線が現れると線路は次第に飴のようにくねくねとうねり出すのです。
反対方向へ疾走する電車が流れるように走り抜けるのに目を奪われ、そしてまたこちらの線路に視線を戻すと今度は線路脇にレールが積んであるのが見えたり、思わぬところに引き込み線があったり、さらにそこに保守用と思われる見慣れない不思議な見た目の車両が待機していたり、遮断機が上がった踏切の両サイドから車が入ってきたり、通過した駅のホームのはじっこにカメラを持った人が立ってたり。

地下の駅に入ると一瞬にして世界が変わりコンクリのミステリーゾーン。地下駅のホームで見るのとはまったく違う世界だし、薄暗い地下駅からこれまた瞬時にしゅっと地上へと出ると、その出口が電車にピッタリサイズなことを発見!出ると同時に反対方向の電車がこのピッタリサイズの入り口にスポッと吸い込まれていく様子もこれまたいい!そんなめくるめく風景を見ていると、いつもの乗車時間がありえないほど短く感じ、うっかり乗り過ごしてしまいそうになる毎日です。


1日の中に味わい深い時間が増えて、毎日がちょっと楽しいくなりました。

謎の努力期間があってよかったなぁ!


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先日のライブの様子をまたまたアップしました。カバー曲Septemberです!

ヒロコフォンビールタイムvol.25@渋谷公園通りクラシックス『September』


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今年のファイナルビールタイムです!

2023.11.26(Sun)ヒロコフォンビールタイム26@立川ジェシージェイムス

皆様、どうぞよろしくお願いします!【ご予約はこちから】

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