花 2 とみいえひろこ 2018年12月14日 23:44 汚れっぱなしの鳩の首ひくく動かしてわたしの後ろを飛び去ってゆく須磨行きの普通に乗り換えるときに遥か日傘をすぼめゆきたり「御影、御影、」 こっくりと時じくの影乗す車輛に遠く揺られるうすぐらき痛みの募るあかつきはサイレンの音に覚めているもの壊さぬよう壊さぬように手花火のいちばん最後、線香花火くずれてもどちらでもいい冷奴のせたる器ごとを包む闇ジュエリーを取り外されて夜を見る胸突き出せる白きトルソー秋の足は畳の水に冷えてゆく捩菖蒲なお尖る夕べに(かばん2018年12月号) #短歌 ダウンロード copy #短歌 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート