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【会計】資産のうち流動資産と固定資産


 前回に資産とは何かというのを取り上げました。

 今回は資産のうち流動資産と固定資産というのがあるので取り上げます。

 資産の分類の方法の一つです。

 資産というのは流動性つまり現金化が容易であれば、現金化することにより負債の支払をすることができるので、その企業は安全性があるとされます。

 安全性があるというのは破綻しないだろうとされるということです。

 この流動性があるものを流動資産、ないものを固定資産と分類しているのです。

 では流動性のあるなしをどういった基準で判断しているのでしょう。

 メインは、正常な営業の循環の過程にあるものを流動資産とする基準です。

 これはどんな過程なのかというと、元手である自ら拠出した資本金である現金を用いて原材料を仕入れて、これを用いて製造し、この製品を販売し、販売した代金を回収する、そして回収したお金をまた原材料の仕入れに用いる、というような流れです。

 こういった過程にある原材料、仕掛品、製品、売掛金、受取手形などを流動資産として分類します。

 もっとも、この正常の営業の循環の過程にない資産であっても、1年以内に現金化されるものは流動資産とする、という基準も補充的に用いられています。

 こういった資産の分類を用いて、その企業の安全性を分析することができます。

 流動比率というものがあります。

 これは流動資産を流動負債で割った比率のことを言います。

 当然、流動資産の方が多ければ流動負債を返済できるので、その企業は安全であることになります。

 ただし、流動資産の方が多い場合であっても、流動資産が現金化するという回収のタイミングが流動負債の方よりも遅いものが多い場合、流動負債の方を早く支払わなければならないことになるため、厳密にはこの回収のタイミングまで見る必要があります。
  
 なので、流動比率というのはあくまでも参考となる判断要素の一つに過ぎません。

 逆に流動資産よりも流動負債の方が多ければこれだけでこの企業は大丈夫かと懸念されますが、これはその懸念はその通りでしょう。

 流動資産、固定資産の分類というのは、こうした財務分析のためのデータを提供してくれるという機能があるわけです。

 有用性のある一つの判断指標であると思います。

 会計の理解はこうした分析も理解できるようになりますので、とても有益だと思います。

 今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。


(貸借対照表の分類)
四 資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。

(一) 資産
    資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16)
   A 現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。
     前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。
     受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。
   B 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。
     建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。
     営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。
    子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。
     有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17)
     無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。

企業会計原則

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