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【著作権】放送事業者等による他人の著作物の利用は自由にできるの?

 今回は放送事業者等による他人の著作物の利用は自由にできるの?についてお伝えしたいと思います。

 まずは条文を見てみます。

 (放送事業者等による一時的固定)
第四十四条 放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく放送することができる著作物を、自己の放送のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
2 有線放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく有線放送することができる著作物を、自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
3 前二項の規定により作成された録音物又は録画物は、録音又は録画の後六月(その期間内に当該録音物又は録画物を用いてする放送又は有線放送があつたときは、その放送又は有線放送の後六月)を超えて保存することができない。ただし、政令で定めるところにより公的な記録保存所において保存する場合は、この限りでない。
著作権法44条

 放送事業者でも有線放送事業者でも、前提として他人の著作物について23条1項に規定する権利(公衆送信権)を害することなく放送又は有線放送できる状態にしておいていなければなりません。

 公衆送信権はあくまでも放送するとか、有線放送するとかのことです。

 これについては著作権者の許諾を得ているなどしていることが前提ということです。

 そして何ができるのかというと、一時的に録音、録画ができるというものです。

 一時的というのは、録音、録画してから6か月か、放送又は有線放送があってから6か月です。

 放送するんだから録画もするだろう、放送する許諾を得ているんだから録画もその許諾に含まれているだろう、と考えがちなのですが、これらは別々に考えなければならないということです。

 これはあくまでも何らの契約なりをしていない場合を想定して定められていますが、実際には契約で放送のみならず録画も許諾することを定めていれば何ら問題なく録画することができます。

 契約で放送などの公衆送信権だけを許諾することを定めた場合であっても、放送にあたっては録画することになるわけだから、その録画については6か月保存することまでは法律で許しますよというのが本規定なのです。

 契約で録画等も定めていればいいですが、定めがない時に6か月しか保存できないというのは、その業界では周知されていることなのでしょうか。周知されているとした場合、6か月で保存をやめて消去するということはしているのでしょうか。実際のところはわかりませんが法律ではそうなっております。

 今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。

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