馬渡 弘典

JAZZのライブを聴きに行くのとカレーが趣味ですが、普段は緩和ケア病棟で働いています。

馬渡 弘典

JAZZのライブを聴きに行くのとカレーが趣味ですが、普段は緩和ケア病棟で働いています。

マガジン

  • 症状緩和のための看護師さんの評価・記録・ケア

    「患者さん、辛そうだな。早く効果のある薬処方されないかな。できることないかしら。」 ①各症状ごと、処方されてる薬ごとに評価項目をまとめてみようと思います。 ②全てを記録する時間はない!でも医者にはちゃんと薬を調整してほしい!そんな記録のポイントをまとめたいと思います。 ③症状緩和は対処療法と原因・病態の治療にケアが加わることで副作用を最小限にすることができます。抜けがないかチェックリスト的に各症状へのケアをまとめたいと思います。 皆様の業務のお役に立てれば幸いです。

  • 5分でがんサポート講座【患者さん・ご家族向け】

最近の記事

オピオイド(麻薬)による呼吸数低下を認めたとき

オピオイドは強力な痛み止めですが、呼吸抑制に注意しましょう。具体的には夜に寝ているときの呼吸数をみます。(酸素化が悪化してからでは遅い) 私の職場では基本的に以下のように指示しています。 患者さんの呼吸が1分間に8回まで下がっても、すぐに声をかけたら反応があり、呼吸も戻る場合は見守りましょう。ただ、これはケースバイケースなので、注意して観察してください。 呼吸が1分間に8回でも反応が鈍い場合、または1分間に6回まで下がったら、オピオイドの量を半分にしてください。 当た

    • トラマドールは麻薬じゃないけれど

      トラマドールは麻薬の扱いではありませんが、オピオイド、つまりモルヒネと同じメカニズムの痛み止めです。 効き目:トラマドールの内服薬25mgは、モルヒネの内服薬(オプソが有名ですね)5mgくらいの強さがあります。注射薬50mgは、モルヒネの注射薬7.5mgと同じくらいです。これは、1日でモルヒネの注射を180mg使っている人が、痛いときに追加で使う分(レスキュー薬)と同じです。なんとなく強い痛み止めってわかりますでしょうか。 副作用:便秘や吐き気、眠気、せん妄(混乱)のほか

      • オピオイドを飲ませる時間の少し前に痛みが出た時

        たとえば、定時の鎮痛薬を飲む予定の少し前に痛みが出たとき、その薬を早めに飲ませることがありますね。でも、本当はすぐに効くレスキュー薬を使うべきです。 がん患者さんが感じる痛みは、「ずっとある痛み(持続痛)」と「急に出る痛み(突出痛)」の二つに分けられます。持続痛の対策には「定時内服」を、突出痛への対応には「レスキュー薬」を使います。 持続痛の管理のコツは、定時で薬を飲み、血中の薬の量を安定させること。なぜなら、「薬の効果が切れて痛みが再発すること」を防ぐためです。 突出

        • がんと闘ううえで読むべき2冊

          正しい情報だけでなく 海外では詐欺罪になるような あやしい情報と玉石混合の 情報の海。 迷子にならないように、 まずは手に取る2冊です。 「がんになったら手にとるガイド」 国立がん研究センター がん対策情報センター 編 https://www.amazon.co.jp/dp/478091129X/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_YYB7QJ32N4KT61KJTXFQ 「親ががんになったら読む本」 静岡県立静岡がんセンター総長 山口健 著 https://ww

        オピオイド(麻薬)による呼吸数低下を認めたとき

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        • 症状緩和のための看護師さんの評価・記録・ケア
          3本
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          4本

        記事

          「有名な病院・先生」に治療してもらいたい・・・?

          その気持ち、 非常によくわかります。 ただ少し考えてみましょう。 皆さんのまわりにも 「目だっている人」 がいると思います。 もちろん優秀で、目だっている人 もいると思いますが、 優劣とは関係なく目立っている人 も多いと思います。 そう。 「有名な病院・先生」が 優秀で有名なのかを見分けるのは とても難しいのです。 がんは、その時点でのベストの治療 (=標準治療)がいきわたっており、 がん診療連携拠点病院であれば 大きく変わることはありません。 あまりこだわらずに

          「有名な病院・先生」に治療してもらいたい・・・?

          セカンドオピニオンについて

          【セカンドオピニオンとは】 最初に治療を受けようと思っていた 病院・医師から話された、 治療方針について、 「その治療でいいのか確認したい」 「より良い方法があるのではないか」 などの思いから聞きに行く、 他の病院・医師の意見の事です。 【メリット】 より希望にそった治療を 見つけることができたり、 より最初の治療方針を 理解できるようになったり といったメリットがあります。 【デメリット】 治療の開始がおくれたり、 逆に悩んでしまったり、 同じ治療なのになんとなく 遠い

          セカンドオピニオンについて

          がん治療を受ける病院の選び方

          【がん治療について】 現時点で世界的にベストと 考えられる治療を 「標準治療」 といいます。 【どの病院で標準治療をうけるのか】 そして多くのがんは、各地域にある 「地域がん診療連携拠点病院」 で標準治療を受けることができます。 時に体力勝負になるがん治療です。 もし体調を崩したときに 駆け込むことを考えても、 通いやすい病院であるのは大切です。 上記の拠点病院がすら遠く通いにくいとき、 同じ治療が受けられるのであれば 近くの病院でも大丈夫です。 【珍しいがんや治験に

          がん治療を受ける病院の選び方