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今こそ強みをもっと打ち出していこう

フランスは革命記念日(7月14日)が過ぎて、一気にバカンスムードになってきました。
物価高騰にあえぐヨーロッパ。バカンス大好きフランス人は「家計は苦しいながらもバカンスに行きたい!」ということで、親戚や友達の家に泊まったり、安い宿を探す傾向にあります。

今までなら夏のバカンス地として南仏や南西部の海岸沿いが人気でしたが、今年は北部、北西部の方が宿泊料が安いため、予約が増えているそうです。

ここ数年の気温の上昇もあって、夏のバカンスは比較的涼しい北部や西北部に人気があるのも頷けます。
北西部にある私たちのお店Loire Gourmandeでも、革命記念日を境にフランス人、外国人の観光客が増えてきました。

さて、本題に移りましょう。
これからの時代は「もっと個人や会社の強みを出していこう!」という話です。

私たちのお店は世界遺産指定地域内の観光地にあります。
何しろ小さな村の様な所なので、飲食店は5軒ほどです。
5軒の飲食店はそれぞれ違った良さがあり、お互いが被らない形でやっています。

ところが、今年の夏(正確には革命記念日の午後)から、新たな飲食店がオープンしたのです。それも私たちのお店の2軒先に。

当初は新たなお店がオープンすることに対して、あまり心配はしていませんでした。
周りの人達には「影響があるんじゃ無い?売り上げが減るんじゃない?大丈夫?」と心配されてましたけど。

私たちの考えは逆で、新たなお店がオープンすれば、必ず彼らは宣伝することだろうから、新たなお客さんが私達のお店に立ち寄ってくださる可能性は大いにあると考えていました(基本ポジティブ)。
さらには、「コンセプトがはっきりしていれば、他を気にする必要はない、自分達の道を進むのみ」とも思ってました。

その後、オープンが近づいた頃に、役所関係の方から、「新しいお店は、あなた達のお店と似たような感じみたいだよ」と教えてもらったんです。

どんなコンセプトなんだろう?と思い、資料を見せてもらいました。
サロン・ド・テと表示されています。
サロン・ド・テはその名のごとく、紅茶やコーヒーと一緒にケーキやスイーツが食べられる場所のこと。基本、アルコールのサービスはありません。

近くにサロン・ド・テはまだ無いし、良いかも。
と思って先を見てみたらたら、ケーキではなくアイスクリーム、そして我々と似たような食事のメニューや食品のラインナップ、おまけにアルコールも提供するらしい。価格は私たちのお店よりも下げてきているし。
これってサロン・ド・テじゃないんじゃない?
2軒先のお店がそうきたか!

とりあえず似通っていることは間違いないので、差別化を測る為にも、今こそ「私たちのお店の強みをもっと打ち出していこう」とゆうことになりました。

具体的に私たちのお店の例であげてみます。

①Loire Gourmande は拘りを持って生産するロワール地方の小さなドメインのワインをもっと多くの方に知っていただく場を提供する。

*やっぱり私達のお店はロワールワインに強いので、この地方のワインの質の高さや美味しさ、豊富さを伝えたい。フランスのワインはボルドーやブルゴーニュだけじゃないよと。

その手始めに、9月から「ワイン倶楽部」を発足し、月1で「アトリエ」(ブドウの品種や土壌の話など),や「テイスティング会」、「vendange(葡萄の収穫)体験」などを開催します。2人のスペシャリストと共に運営して行く予定で動いてます。
これから私達のお店が中心となって、いろんな人達を巻き込んでいこうと思ってます。

そうそう、お店のオリジナルワイングラスが出来上がりました。

Loire Gourmandeのオリジナルワイングラス

お店の名前Loire Gourmandeと場所の名前Turquantの文字を入れました。
よく見かけるのは白文字だと思います。私たちは敢えて黒文字にしてみたんですが、どうですか?
もちろん販売もしています。旅の記念にお買い上げいただいています。


②営業時間の間は何時でも飲食を提供する。
*フランスのレストランはお昼のサービスが終わると、一旦休憩になり、夜のサービスまで食事ができません。
私たちのお店では、何時でも飲食のサービスを提供しているので、午後3時や4時くらいになって、何か食べたい人達に非常に喜ばれています。意外とこんなお店ないんですよねフランスには。ここも強みかと思います。

On Mange à toute heure

③お客さんに喜んでいただける良いサービスを提供する。
*一流のレストランやお店のサービスは徹底しているとは思いますが、一般のお店は割とそっけない対応なんですよ。
フランスでは「お客様は神様です」なんて感覚は無くて、どちらかと言えはお客さんと対等な感じなんです。良い意味でとてもフランク。

私たちはできる限りお客さんとコミニュケーションを取り、「どうやったらお客さんに喜んでいただけるか」を常に考えながらサービスを提供し、クチコミで広がるようにしています。実際、前に来たお客さんが別のお客さんを連れてきてくださったり、噂を聞いてきたという方も多くいます。

④歴史的な場所とアートとの融合
これがワインに次いでお店の強みかと思います。
16世紀ごろに建設されたとされる石造り建物と洞窟住居、そして元モザイク職人のアトリエ。その場所を活かしたワインセラーや絵画の展示、テラス、食品販売などを総合的に融合させて、サンパな空間を楽しんでもらいたいと思っています。

お客さんには「食事や買い物をしなくても、どうぞ見学していって下さい」と言っています。まずは歴史的な場所を体感していただいて、それで気に入ってくだされば消費してくださいというスタンスです。

余談ですが、どうしてTurquantに洞窟住居が多いかというと、お城を建てる為に石灰岩を掘ったら当然ですが、洞窟ができるわけです。昔の人達はそれを利用して住居にしていたんです。ロワール地方には至る所にお城がありますからね。

4つの強みを書き出してみました。これは私たちのお店の例ですが、どんなお店にもそれぞれに強みはあると思います。
少し前までは、どこも同じような店構えや商品が多く、平均的な感じでしたよね。でも、これからはもっと個性を出していく時代になっていくんじゃないでしょうか?












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