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「Shimonoseki Add-Venture Summit(通称:SAS)」参加に寄せて〜下関で芽吹き始めた多様性あるコミュニティ〜

1月20日、「Shimonoseki Add-Venture Summit(通称:SAS)」のスタートアップピッチ登壇のため、下関へ行ってきました!初下関・初中四国でのピッチ登壇と初物尽くしでしたが、SAS第一回目にスタートアップの立場で参加して、の所感を残しておきたいと思います。

他のスタートアップ企業がどうだったかは定かではないですが、私個人としてはかなり面白い且つ今後の発展を強く感じたイベントでした!やっぱり地域はアツイ!!

SASってどんなイベント?


Shimonoseki Add-Venture Summit(通称:SAS)」は、山口フィナンシャルグループが主催し、下関市が共催する「地域の産業活性化を地域とスタートアップが本気で考え、行動するための地方創生サミット」。地域関係者(企業·行政機関·大学、等)とスタートアップ関係者(スタートアップ企業·各分野の有識者、等)が一堂に会し、さまざまな切り口から地域の産業活性化の形を探る一大イベント。
テイラーワークスは、地方創生✗スタートアップの文脈で登壇とブース出展の機会(両方とも無料!)を頂き、「地域発・共創コミュニティの創出」のプレゼンをしてきました。
▼ 「Shimonoseki Add-Venture Summit(通称:SAS)」特設サイトhttps://sas-shimonoseki.com/

下関駅から10分弱のDream shipが会場
イベントオープニング

終始一貫してたストーリー

今回のイベントで強く感じたことが1つ。DeNAの南場さん、Goの三浦さんのKeynoteセッションから他のセッションに至るまで、一貫したストーリーで構成されていたな、ということ。イベントの構成内容、セッションのストーリー、1つのセッションの登壇者のセレクション、懇親会まで、「イノベーションにおける多様性とコミュニティの大切さ」という一本の軸がありました。

我々も共創コミュニティのプラットフォームを謳っている手前、色々なコミュニティに出入りしたり、文献読んだり、考えたりすることが多いのですが、主催が一本の軸を持っていて、半ば狂信的に(ポジティブな意味で)その軸を周囲に共有し続けられるコミュニティは強いというのを幾度となく経験してます。SASはそのコミュニティの1つだと、肌身で感じました。

商談ブースが盛り上がりすぎてまともに聴講できたセッションはKeynoteだけだったのですが、DeNA 南場さんとGo 三浦さんとのセッションのサマリーも残しておきたいと思います。

テーマ①:なぜ今イノベーションが必要か?

以下、ざっくりサマリー。

  • 近年、環境的に起業はそこまでハードルの高いものでなくなってきている

  • 誰でも起業できるし、一回起業トライチャレンジしてみよう

  • 海外スタートアップは初動から多国籍軍でメンバーを作っており、組織でも人の多様性を体現している

  • コントロールコストが小さくて済むからと同質性が強い人を集めがちな組織はリスクヘッジしてるように見えて、実はリスクを溜め込んでいる懸念

  • スタートアップの起業から解散、再起業までのベロシティを上げる取り組み重要が重要

個人的には、「多様性のあるチーム作りが実は一番リスクや変化に強い」という内容が響きました。バックグラウンドが同じメンバーである組織は変化や危機に脆弱で、チームメンバーの経験と感覚の多様性が重要というお話。
会社を経営していると、どうしても組織のコントロールコストを鑑みて、同質性が強い人達でチームを形成しがちですが、異分子大切ということですね。どうしても自分が携わってる組織は棚に上げがちになります。組織を振り返っての学びでした。

テーマ②:地方創生にスタートアップは必要か

以下、ざっくりサマリー。

  • 地方創生におけるスタートアップの役割ってなんだろうね。

  • 地方大学には世界に誇れる研究テーマが2〜3個は確実にある。

  • 地方創生の始めの一歩は、アカデミックにあるかも。

  • 特定のテーマを意図的に掲げて、それに関わるステークホルダーを地域に集積すべき。

  • 特に地域のステークホルダーは中長期的(ここでは仮に5年ぐらいと定義)に考えて、どの産業にスコープを当てるかを考えたほうが良い

  • 特定のテーマを掲げるときに「何もない地域」じゃなくて、「この産業がある」というプライドをもって欲しい

  • 地域発のスタートアップは特に特定領域の専門家の自負を持って、自分のプレゼンスを上げて、そこに感動や仲間意識を育んでいかないと勝手に人は集まらない

このセッションで改めて認識したことは、「産業ってやっぱりコミュニティだよね」ということ。中長期的なテーマを設け、多様なステークホルダーを集めて課題を共有し、解決に取り組むことを繰り返していく必要があり、その活動は共創コミュニティそのものだと改めて思いました。
実際、面白い地域として取り上げられている所は、外から(日本以外からも)人が入ってきて、所謂ヨソモノバカモノが活躍している地域。
一方で、日本は排他的なカルチャーもまだ根強くあるので、この部分はもう若い世代が率先して変えて行くしかないのだと思います。

あと個人的に南場さんへの「なぜ起業にそんなに魅せられているのか」の質問に対して『起業は毎日が辛楽しい。ずっと辛い時も、鳴かず飛ばずの時もしょっちゅうだが、そのプロセスそのものが楽しい』の言葉がとても身に染みました。笑
確かに、起業と経営は毎日ひたすら「辛楽しい」。辛いが8割、楽しい2割ぐらいですけど、辛いが深いほど、楽しいが映えます。
しんどいことを超えた思い出が走馬灯として得られる人生を送りたいなと改めて思いました。笑

コミュニティのカルチャーと今後

今回のSASで、下関のコミュニティの胎動を身をもって体験することができました。地域全体でイノベーションエコシステムを作り上げていこうという気概に満ち、それがうまく社会共創のフラグでまとまっているワクワクする地域だと思います!

コミュニティ形成において重要なのは、「最初のカルチャーをどう作るか」。その部分で、殆どの運営、特にスタートアップや来場者と接するポイントは、主催側の企業の方々が応対してくれた点が、個人的には他のイベントと全く違うところだなと感じました。

実はこの部分かなり重要で、コミュニティにはホスト(主催)とゲスト(誘致したい先)が存在しますが、SASは徹底して主催側と地域側がホストに徹して、スタートアップの誘致やスタートアップにとって過ごしやすい地域をどう創っていくか?というミッションが共有されていました。
一人一人が興味持ってスタートアップに接しているし、自社では導入しにくいソリューションでもみんなで知恵を寄せ合って導入先を考えたり、といった雰囲気があったのが、とても素敵。

ヨソモノバカモノにとっては、とても恵まれている環境でした。

このカルチャーが根底にある限り、SASを始めとする下関のコミュニティは絶対面白いものになるし、今後の発展も非常に楽しみなものになっていくと思います。

一方で、早期に小さい成果をコツコツと積み上げていないと長い道程では疲弊が起こってしまうので、小さいインパクトを早く起こせる仕組み作りは必要だとも思います。コミュニティで日々の取り組みや成果創出、マッチングを行いながら、SASのようなリアルイベントが年間の成果報告の場になるといいな、と感じました。(できれば弊社で支援したいですね。笑)

懇親会で誕生した「下関一本締め」笑。こういうものコミュニティのカルチャーの1つ。懇親会も最後までビジネス情報の交換、今後の産業の話で持ち切り。
会場で売ってるアンパンがめっちゃ美味しかったです。上の塩と中のあんこが超絶マリアージュ!聞いたら、有名なパン屋さんを下関に誘致したんだとか。これも1つの共創ですね。

最後に

このイベント、山口フィナンシャルグループが主催ではありますが、山口キャピタルやドーガンβなど、地元のVCの方々の功労によるものです。地方VCってここまでやるのか!とびっくりしましたが、地域の産業に投資するって何もお金だけじゃなくてコミュニティやカルチャー醸成、スタートアップの誘致、地元企業の理解とやること盛り沢山。ですが、その盛り沢山をコツコツ地に足つけてなし得た先にある未来は、とてもワクワクする。

このようなアセットを活用した取り組みが全国規模で広がったら、最高ですね。そんな未来に向けて、我々テイラーワークスも尽力していこうと思った1日でした!

おわり。


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