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10年の時に想いを馳せて飲むお酒

「10年前は何してた?」

まだ出会っていない10年前のお互いのことを話しながら、夫婦でグラスを傾ける。

10年前の私は人生の岐路に立ち、一人暮らしを始めて1年が経った頃。仕事もすっかり慣れ、一人暮らしにも慣れたけど、何か足りない…何かしないと…ともがいていた頃。
新しい出会いを求めたり、自分の好きを探してあれこれ手を出しては続かない日々。
そんな中、出会ったのが日本酒。人生で初めてハマったモノ。
日本酒がなかったら私の人生はかなり違っていたと思う。

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『岩清水 2009 火入れ 〜9年の奇跡〜』

このお酒は2009年に作られ、蔵で9年間貯蔵されていたお酒。2017年に発売したモノを我が家の冷蔵庫で更に1年貯蔵してから封開けした。
「長期熟成古酒」と呼ばれる日本酒だ。

お味は、熟成させたことで丸みが出て、口に入れるととろりとした優しい口当たり。また熟成によるキャラメルのような香りと、後味の苦味のバランスが素晴らしい。
『熟成されたオトナのお酒』

脂ののったぶりしゃぶと合わせて美味しくいただいた。

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『岩清水』を作る井賀屋酒造場は、長野県中野市にある。
長野県は日本でも2番目に酒蔵の多い県なのだが、その中で一番小さい蔵。


実は、その蔵があるのが旦那さんの実家がある市内。更に、そこに嫁いだ奥さまは、もともと東京で何度もご一緒させてもらった、お酒業界のすんごいお方。
色々と縁があるお酒。帰省のたび寄れる時は寄ってお酒を調達して帰る。

夫婦で作るお酒はどんどん美味しさが広まっていて、東京でも買える酒屋さんや飲める飲食店が増えており、どこかで出会うことがあるかも。

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熟成がうまくいかないと「老香(ひねこう)」という、なんとも嫌な香りが出てしまう。
お酒も人間も上手に歳を重ねることで熟成されていく。余計なものを削ぎ落とし、シンプルに執着を手放して生きていきたい。
「老(ひね)」た大人になりたくないなぁ。そう思う。

やっぱり、日本酒っていいなぁ。

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