生きる意味、価値

医療において、その人が生きたいと思うなら、それに応えていく。まあ当たり前のことなんですけど、その人が生きる価値や意味が医療従事者が判断できるものなんでしょうか。それとも、それは本人や家族が考えることで、医療においては救うことだけを考えればよい、というものなんでしょうか。
これはデリケートであり、非常に難しい問題です。
でも、高齢化社会になってきて、医療費の増大が社会問題になっている中で、この人にどれだけの医療費をかけ、医療資源を投入した結果、どれだけのアウトカムがえられ、誰が生きていくことの意味や喜びを感じていくのか、は、医療従事者だけでなく、社会全体で共有しなければならない問題でもあります。

医療というものが公的な費用でかなりの部分がまかなわれているからこそ、公的な利益のために行われるべきものであると思います、という考えもあります。

これは、医療を受けていく方々も共有しなければならない問題で、医療リテラシーを社会全体で共有しなければなりません。

医療現場において、ひたすら助けることだけを考えてやる、というのもあり、ですが、やはり、その人が助かることで、なんの意味があるのか、というのは、みんな考えてしまうものですし、感じ方はそれぞれ違います。

ただ、感じ方がみんな違うからこそ、とてもデリケートな問題だとどれだけの医療従事者が考えながら、目の前の患者さんの生きたいという思いに応えていくのか。
私はこれは、とても繊細な問題で、それをチームとして周りと共有しながら、目の前の患者に対峙することが今の医療に求められているのだと思います。

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