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歩くことが妙薬

今日のおすすめの一冊は、アンダース・ハンセン氏の『BRAIN 一流の頭脳』(サンマーク)です。その中から「認知症予防の特効薬はウォーキング」という題でブログを書きました。

本書の中に医学の父、「ヒポクラテス」の心に響く言葉がありました。

「本当に運動が脳にいい影響をおよぼすなら、もうとっくに、みんなが気づいていて当然じ ゃないのか」と、みんなそう考えているだろう。 喫煙は健康を害する。コーヒーには興奮作用がある。こういったことは周知の事実である。
私が思うに、昔はみな運動が脳によい影響をおよぼすことを知っていたが、200年の間に すっかり忘れてしまったのではないだろうか。
「人間には歩くことが何よりの妙薬となる」。これは健康関連の雑誌でよく見るお決まりの 文句などではなく、医学の父、ヒポクラテスの言葉である。はるか2500年前、近代の医療技術とは無縁の時代に、ヒポクラテスは身体を動かすことが、肉体的かつ精神的な健康のためには欠かせないことを知っていたのだ。
驚異的な医学の進歩により、ワクチン、抗生物質、MRI、分子標的薬にいたるまで、多くの革新的な発見や発明がもたらされた。とはいえ、そういった進歩によって、それまで当然と考えられてきたものはみな、脇に追いやられてしまった。 私たちは忘れてしまったのだ。脳と身体にとって、身体を動かすことが最良の薬であることを。願わくば、多くの人に思い出してもらいたい。
近年、医学の研究は古代のヒポクラテスの格言にようやく追いつき、その言葉が正しいことが立証された。だが身体を動かすことの重要性や、脳がアップグレードされる具体的なメカニズムは、まだ完全には解明しきれてはいない。
ある意味で、これは歴史のしっぺ返しといえるのかもしれない。最新の医療技術であるMRIによって導き出され、私たちが見直したもの…それは、何ということはない。ただ「運動すること」だったのだから。

そして、こんな興味深い文章もありました。

脳は、身体を活発に動かすとドーパミンを放出して気分が爽快になるようにプログラムされている。それは、狩りが生存の可能性を増やすからだ。そのほか危険な猛獣から逃げたり、 住みやすそうな場所を探したりすることも、生存の可能性を増やす。
脳は1万年前からほとんど進化していないため、現代の私たちにも、このメカニズムが残っている。そのため、祖先の生存の可能性を増やした行為と同じことをすれば、脳はそれを繰り返させようと快感を与えてくれる。 私たちがランニングやウォーキングをして家に戻ると、脳は食べ物や新しい住み処を探していたのだと解釈し、報酬として多幸感を与えてくれる。
運動が身体によいと書かれた雑誌やこの本を読んだからといって、ドーパミンやセロトニン、エンドルフィンは放出されない。 幸せな気分になれるのは、生存の可能性を増やす行為をしたときだけだ。
座りがちでいると調子が悪くなる「お仕置き」をされることも、それで納得がいく。1日 中座ってばかりいれば獲物は捕まえられず、新しい住み処も見つからない。 座ってばかりいると生き残れない。多くの現代人が心や身体を病んでしまう理由は、「脳」 と「私たちの環境」の矛盾、そこにある。

現代人は本当に歩かなくなりました。特に、地方都市に住んでいる人は、車が必需品なので、必然的に車の移動が多くなり、歩きません。むしろ大都市に住んでいる人の方が、歩きます。

また、このコロナ禍でリモートの機会が増え、ますます椅子から離れられなくなっています。したがって、意図的に歩かざるを得ない状況を作らないと、運動量は減るばかりです。

「人間には歩くことが何よりの妙薬となる」というヒポクラテスの言葉を胸に刻みたいと思います。

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