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才能に恵まれなくて良かった

今日のおすすめの一冊は、ひすいこたろう氏の『今日は人生最悪で最高の日』(SB Creative)です。その中から「難ある人生は、有難い」という題でブログを書きました。

本書の中に「才能に恵まれなくて良かった」という、やなせたかしさんの心に響く文章がありました。

50歳ぐらいまで僕は、失意と絶望の連続でした。ずーっと何十年もの間、『自分が何をやっても中途半端で二流だ』って思い続けていました」

これは、『アンパンマン』の作者である、やなせたかしさんの言葉です。

やなせさんが、『アンパンマン』の絵本を描いたのは、54歳のとき。『アンパンマン』がブレイクしはじめたのは、60歳を越えてからなんです。それまでのやなせさんは、長い長い「絶望」というトンネルの中にいました。同期と思っていた仲間が次々にマンガ家として名を馳せていく......。新人たちにもあっさり追い抜かれていく。

その頃の、クサっていたやなせさんを見かけた大先輩のマンガ家、杉浦幸雄先生がこう声をかけてくれた。

「君が落ち込む気持ちもわからんでもないが、人生はね、一寸先は光だよ。いいね、途中でやめちゃったら終わりだよ」

「ボクは何をやらせてもおそいし、頭も良くないから、普通の人が3日でわかることが30年ぐらいかかってやっとわかったりします。いまでも勉強している事がありますが、何年やってもほんの少しも進歩しないのでおかしくて笑ってしまいます。

アンパンマンも絵のほうのことも、そんなぐあいにして超スローモーションでやってきましたが、年月が経ってみるとそれなりの足跡ができていてボクよりもはるかにはやくとびだした人たちがもうリタイヤしているのを見ると、自分はあまりきらめくような才能に恵まれなくて良かったなと思うことがあります」

◆人生はマラソンのようなもの。最初がどんなに速くて、前半でトップグループに入ったとしても、後半に棄権したり、リタイアしてしまったら、何もならない。たとえ、ビリだとしても、ゴールのテープをちゃんと切ることが大事なのだ。「終わりよければすべてよし」という言葉があるが、ヘトヘトになりながらでも完走することだ。

人生は、マスターズのマラソンのように、一流のランナーが次々と競技をやめていくなかで、長く続ければ続けるほどその価値が上がってくる競技のようなもの。続けることが貴重な価値となる。

人生はいくつになってからでも、何かをはじめることはできる。そして、続けることができる。凡人の勝負はそこからだ

「才能に恵まれなくて良かった」という言葉を胸に刻みたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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