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人間の深みと味わい

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『小さな人生論 ポケット名言集』(致知出版社)です。その中から「人間の天敵」という題でブログを書きました。

本書の中に「人間の陰と陽」についての珠玉の文章がありましたのでシェアします。

ある文芸評論家が、こう言っている。 「日陰がなく、日向(ひなた)だけの男は暴力である」 病気を知らず、逆境に悩んだこともなく、挫折(ざせつ)に苦しんだこともない。 人生の陰影(いんえい)に乏しく、ただ明るいだけの男は、存在そのものが堪(た)え難い、というのである。
作家の五木寛之さんから聞いた話がある。 朝顔の花は朝の光を受けて咲くのだと思われていた。 しかし、ある植物学者が朝顔のつぼみに24時間、光を当てていても、花は咲かなかった。 朝顔の花が咲くには、朝の光に当る前に、夜の冷気と闇に包まれる時間が不可欠なのだという。
元京大総長の平澤興(ひらさわこう)氏はこう言っている。 「知識ではなく、その人全体から滲(にじ)み出る味わいでその人物がわかる。 また、そういう人にならなければなりません。

体も頑強で、ハンサムで、お金の苦労もなく、勉強も出来る、という何不自由なく育った人には、 他人の痛みや悲しみがわからない人が多いです。 「名選手は名監督にあらず」という言葉があります。 一流の選手だった人は、自分ができるために、できない選手の気持がわからない、というものです。

なんとも言えない味のある人、惹(ひ)かれる人とは… 役職や、社会的地位、お金など、すべてがなくなっても、なお会いたくなるような魅力のある人です。 年を重ねるごとに、人生の陰影を知る、深くて重みのある人、別れてもまたすぐに会いたくなるような余韻のある人になりたいものです。

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