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絶望的な状況から立ち直る

今日のおすすめの一冊は、A・マクギニス氏の『今できる事から始めよ!』(三笠書房)です。その中から『「誰かを応援する」という生き方』という題でブログを書きました。

本書の中に「絶望的な状況から立ち直る」という心に響くエピソードがありました。

《不可能は神に任せ、可能なことに力の限りを尽くそう》
ある朝、イギリスの思想家トーマス・カーライルは奈落の底に突き落とされた。友人の哲学者ジョン・スチュワート・ミルが訪ねてきて、こう告げたのだ。「目を通してくれと言われて預かった原稿を、今朝メイドが焚きつけに使ってしまったんだ。本当に申しわけないことをした」
その原稿に写しはなかった。唯一の原稿を焼かれてしまい、カーライルは憤りと悲しみで身が張り裂けんばかりだった。そうした時期がすぎると今度は深い絶望感が襲ってきて、空しい日々を過ごしていた。
そんなある日、窓の外を何気なく見ているとレンガ職人が働いている姿が見えた。「私の中で何かがひらめいた」と彼は後に記している。「彼らはああしてレンガを一つ一つ積み重ねている。私にも一つ一つの言葉を重ね、文章を積んでいくことができないはずはない」
彼は再び原稿を書き始めた。この労作『フランス革命史』は今日でも権威ある研究書として高い評価を得ているだけでなく、困難に打ち勝って偉業を達成した好例としても今に生きている。ひるんでしまうような長く険しい道に直面した時は、一方の足をもう一方の足の前に出していくことだけに専念すればいいのだ。

原稿をパソコンで打っていて、長い文章が完成したと思ったら、それが瞬間的に消えてしまった、という仕打ちにあった人は多いと思いますが、カーライルの原稿は何十年もかけて書いたものです。その衝撃と落胆の度合いは計り知れません。

絶望の日々を過ごしたカーライルは何週間か過ぎ、少しずつ冷静になってきたとき「原稿が燃えたくらいで絶望するような人間の書いた本など、出版しても世の中の役に立たない。だからもう一度書き直そう」と思ったといいます。

何か絶望的なことがあったとき、嘆いたり、うらんだりするだけでは、物事は一歩も進みません。とにかく一歩を踏み出すことであり、1ページ目に文字を書き入れることです。

「もうダメだと思ったとき、また最初から始めるという手がある」

泣きながらでも、一歩を踏み出せる人でありたいと思います。

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