見出し画像

「歳時」を大事に

今日のおすすめの一冊は、名取芳彦氏の『人生がすっきりわかる ご縁の法則』(知的生き方文庫)です。その中から「時と人の縁」という題でブログを書きました。

本書の中に『「歳時」を大事に』という心に響く文章がありました。

《「歳時」を大事にする人は、良縁を引き寄せる》 

日本は強い季節風の影響で四季のはっきりした温帯湿潤気候に位置しています。雨が多く、国土の約七割が森林で、周囲を海に囲まれています。これらは日本の国土が持っている縁といえます。

また、世界でも稀にみる海底のプレートがいくつも接する位置にあり地震や火山が多いという縁も持っています。 街がどんなに都市化されても、こうした自然環境との縁を切り離すことはできません。

だからこそ、日本人は季節にさまざまな行事を行なって自然を畏れ、その恵みに 感謝してきたのでしょう。そして、その伝統は、これからも受け継がれていくことでしょう。 こうした四季折々の行事は立春、夏至、秋分、冬至などの二十四節気で行なわれます。

さらに五日ごとの東風解凍(はるかぜこおりをとく)、虹始見(にじはじめてあらわる)、半夏生(はんげしょうず)、涼風至(すずかぜいたる)、橘始黄(たちばなはじめてきばむ)などの七十二候も取り入れられました。

日本独自の節分、彼岸、土用、八十八夜などの雑節も大切な節目として生活の一部になっています。 こうした歳時は、一年の中で自分がどの位置にいるのかを確認する格好の材料です。 

正月にはお節料理やお餅に舌鼓を打ち、無病息災を祈って七草を食べます。 節分では自分の年齢と同じ数の福豆を食べ、春の彼岸にはおはぎを頬張り、可憐な 三分咲きから見事な満開の花見を楽しみ、水面を流れる花筏に心を寄せます。

初夏にかけては柏餅に頬を膨らませ、菖蒲湯に浸かり、紫陽花を愛で、初鰹で粋な気分を味わい、新茶の香りに鼻をひくひくさせ、衣替えで気分を一新し、日替わり花火のような朝顔に笑みをこぼし、七夕には星に願いを込めます。

 梅雨明けから夏には生ビールでのどを潤し、ウナギで夏バテを予防し、お盆で先祖を迎え、かき氷で頭がキーンとなります。 秋から冬には、ぶどう、さんま、梨、十五夜、秋彼岸、芋、栗、柿、紅葉、冬至、年越しそばと、長距離レースでいえば数々のチェックポイントが配置されています。 

自然の営みに鈍感になった人は、こうした節目をおろそかにしてしまうので、一年をだらだら、ぶらぶらと暮らすことになるかもしれません。しかし、「ぶらぶらと暮らすようでも瓢箪は胸のあたりにしめくくり有り」という古歌もあります。

 瓢箪にも劣るような暮らし方はせず、歳時という給水ポイントで立ち止まり、乾いた心を潤していきたいものです。良縁を引き寄せるためにも。

「ぶらぶらと暮らすようでも瓢箪は胸のあたりにしめくくり有り」とは、ここ一番という時は、心をしっかり引き締めること、という意味だ。

日本の中で、古来より四季の移り変わりの行事をしっかりやっているところは神社。たとえば神社では、一月は一日の歳旦祭、田祭、左義長祭、どんどん焼き、小豆粥調進祭。二月は節分祭、立春祭、針感謝祭、紀元祭、天長祭。三月は桃節句祭、四月は稚児健康祈願祭、鎮花才、敬老祭、昭和祭。5月は端午祭、六月は大祓式、茅の輪神事、夏越大祓祈願祭…。

そうやって、12月まで様々な季節に根付いた年中行事がある。だから、四季折々、神社に参拝するだけで、季節を感じることができる。

だらだらと、一年を過ごすのではなく、日本の年中行事を味わうだけで、節目節目を感じることができる。よき縁を引き寄せるためにも、神社に参拝することはとても大切なこと。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?