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老練を目指す

今日のおすすめの一冊は、田口佳史(よしふみ)氏の『超訳 老子の言葉』(知的生き方文庫)です。その中から『優れた人物ほど「黒子」に徹する』という題でブログを書きました。

本書の中に「老練を目指す」という心に響く文章がありました。

《剛強でありながら柔弱、というふうに対立する二つの要素を合わせ持つよう にすれば、物事はうまくいく。自分の力をより向上させることもできる。何につけ、常に逆を考えて、偏(かたよ)りをなくすことが重要なのだ。》 

たとえば、強いと弱い、硬いと柔らかい、清いと汚い、喧噪(けんそう)と静寂、高いと低い、 長所と短所、雄弁と寡黙、明るいと暗い・・・といった具合に、常に逆がある。

だから、 一方だけを見るのではなく、常に逆にあるものを認識する。そのうえで、自分の守るべきものを守っていくことが、自分を向上させることにつながる。そう老子は言って います。 

一言で言えばこれは、「老練を目指しなさい」というメッセージです。 老練な人は多くの経験を積んでいるから、いろんな視点から物事を見ることができるし、何に対してもより柔軟に対応できる。それがベテランだよ、ということです。

安岡正篤師は、『思考の三原則』を唱えた。

第一は、目先に捉われないで、出来るだけ長い目で見ること。
第二は、物事の一面に捉われないで、出来るだけ多面的に、出来れば全面的に見ること。
第三に、何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考える

《 一方だけを見るのではなく、常に逆にあるものを認識する》とは、まさに第二の原則だ。両面だけでなく、多角度から見て、全面的に見ることが大事だということ。

また、さらに老練であるためには、《短期ではなく、長期的に見ること》、《枝葉ではなく、根本的に見ること》の二つが必要だ。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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