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名前の呼び捨て

今日のおすすめの一冊は、小林正観さんの『魅力的な人々の共通項』(清談社)です。その中から「吉田松陰の教育法」という題でブログを書きました。

本書の中に「名前の呼び捨て」という心に響く一節がありました。

《素敵な人は誰に対しても 「○○さん」と呼ぶ》 

人格が優れている人の共通項の一つに、周りの人すべてに対して、決して呼び捨てで呼ぶことはなく、必ず「○○さん」と呼ぶ、という点が挙げられます。

それはたとえ年下の相手に対しても、部下に対しても、子どもに対しても、です。 普通は自分が上の立場だったら、相手を「○○君」と呼ぶでしょう。しかし、たとえ自分が社長という立場の人間であっても、その中でいちばん偉い・強い立場に立っていたとしても、すべての人を「○○さん」と呼ぶ人は素敵な人に見えます。 

特に、上司が部下を、教師が生徒を、先輩が後輩を、夫が妻を、親が子どもを、という関係で、上の立場にある者は相手を「○○君」と呼んだり、ひどい場合は呼び捨てにしたりしているものです。 

普通はそうなのですが、自分はそうしないで、すべての人を、特に目下の相手にも「さん」づけで呼ぼう、と、そのように実践している人は、「尊敬」されると思います。 

私自身、大学生のころは、年下の人に対して、「○○君」と呼んでいました。しかしあるとき、精神科学研究会という研究会に属していた私は、恩師が、すべての生徒に対して「○○さん」と呼び、年下の者たちに対して一貫して丁寧な言葉遣いをしていることに気がつきました。 

そのような恩師の姿を見て「かっこいい」と衝撃を受け、以後、自分もそのようにしよ う、と決めたのです。 

結婚生活においては、好きとか愛情とかいうものは、生物学的には3年間でリミットが 来てしまうものなのだとか。では、どうすれば20年間も40年間も添い遂げられる人間がいるのか?というとそれは「尊敬」という概念が、3年間一緒にいる間に、お互いの間に形成されたからです。 

では、「尊敬」される夫であるにはどうしたらいいのか。 それは簡単なことです。妻や子どもを呼ぶとき「○○さん」と呼ぶことも一つでしょう。 決して呼び捨てにしたり、「おーい」とかいう呼び方ではなく。 

「尊敬されるには」と構える必要はなくて、ただ日常生活の中で、こういった点を実践し ていることがいちばんの早道です。 ちなみに私は33歳で結婚して以来、妻を呼ぶときも、「○○さん」と呼ぶようにしてきま した。 その話を聞いて、ではやってみようということになった知人がいるのですが、今では妻や娘から「お父さんかっこいい」と言われているそうです。

昨今では、「おい、お前!」と呼んだり、高圧的に名前を呼び捨てたりすると、パワハラになりかねない。また、「4年神様、1年奴隷」というような時代錯誤の大学体育会系的上下関係は、もう一般社会では通用しない。

年下であろうと、自分の子供であろうと、名前を呼び捨てにしないで「〇〇さん」と呼んでいる人は魅力的だ。誰に対しても「さん」付けで呼ぶ人でありたい。

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