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「こなれ感」と「他人慣れ」

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『大人だからこそ忘れないでほしい45のこと』(ワニブックス)です。その中から「すぐに影響されてみる」という題でブログを書きました。

本書の中に『「こなれ感」と「他人慣れ」』という興味深い文章がありました。

人間関係においては"こなれ感”というものがあります。しかし、最近の学生を見ていますと、この"こなれ感"が足りない。こなれている、というのは過去の人間関係において「いろいろ揉まれてきたな、いろいろな人と会ってこなれているな」という印象のことです。 

もう十数年前の学生ですが、今でも強く印象に残っている女性がいます。彼女は人間関係において、常に先を見通し、痒いところに手が届き、誰よりも率先して動きました。すでに十分大人だった私から見ても、「何てこなれた人だ!」という印象です。 

私は彼女がどういう経験を積んできたのか気になったので、機会があるときに尋ねてみますと、実家が中華料理店を営んでおり、小さい頃からずっと店を手伝ってきたと言います。私はそれを聞いて、「なるほど!」と膝と打ちました。

様々な人が出入りする店で小さい頃からお客さんと接し、次から次へと注文を取る中で、人間関係における“こなれ感”を身につけていたわけですね。 ちなみに、彼女のように何にでも対処できるような雰囲気、つまり“こなれ感”の ある人は、就職採用面接などで、非常に好まれる傾向にあります。

また、若い年齢にもかかわらず、なぜか話していて度量が広い感じを受ける人、というのがたまにいるのですが、彼らも学力と関係なく、よい就職先に就くことができる傾向にあるのです。 

つまり、直接の会話が得意だということは、その人にとって非常に大きな財産とな るのですね。そのためには、“こなれ”という言葉が示すように、ある程度、経験の量が必要になってきます。揉まれるうちに、必ず誰もがこなれてくるはずです。

 もちろん、初々しい"というのもよい言葉ですが、それでも社会に慣れていない、世間にさらされたことがない人は、周囲にいる者からすると、少々不安に感じられるものです。ですから、直接会話をしたときに、「あ、この人は緊張していないな」「リラックスして話すことができるんだ」「会話にズレがない」と相手に思わせるためには、とにかく場数を踏むこと。 

もし、あなたが職場の飲み会で「ああ、今日も気を遣って疲れたな」などと思うことがあったなら、「いや、自分は場数を踏んでいるんだ」と前向きに捉えてみましょう。場数は、性格や才能とは関係ありません。「あの人、場数踏んでいるよね」とい う言葉は、「あの人、こなれているよね」と同義です。

また、成功失敗を問わないと ころも、場数のよいところです。成功も失敗も、経験が多ければ多いほど、それだけ 柔軟な対応力が備わっていくのです。とにかく"才能より場数”というのを一つの標語にして、たくさんの人と触れ合うことをなるべく厭わないよう、心がけてみてください。 

人生における、ほとんどのことは「慣れ」によるものです。ですから、ときにはSNSやメールでのやり取りだけでなく、人生の場数を踏むためにも、思いきって人と 会い、“他人慣れ”するようにしてみましょう。

場数を踏むことが必要なのは、人間関係においては最強の方法です。いくら本を読んでも、話を聞いても、リアルに実際に経験してみなければわからないのが人間関係です。「こなれた感じ」「他人慣れ」の能力を身につけたいと思います。

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