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七転八倒

今日のおすすめの一冊は、相田みつを氏の『生きていてよかった』(角川文庫)です。その中から「具体的に動くことだね」という題でブログを書きました。

本書の中に「七転八倒」という心に響く一節がありました。

《七転八倒/つまづいたり/ころんだり/するほうが/自然なんだな/にんげんだもの》
『七転八倒』古い昔の中国の話です。
大寧院可弘(だいねいいんかこう)禅師という人に、ある修行僧が聞きました。「この道さえ歩いてゆけば、絶対にまちがいのない、真実の道(正真ノ一路)とはどういうものですか?」
可弘禅師が答えました。「七転八倒(しちてんばっとう)」(七回転んで八回倒れる)
「七転び八起き」じゃありません。転びっぱなし、倒れっぱなし。つまり、失敗の連続。それが真実の道だ、というんです。
人間は努力をしているかぎり、これでいい、これで満点、なんてことはありません。いつでも未完成、不完全です。ただここで、大事なことは、転も倒も、具体的に動かなければ起きない現象だということです。常に具体的に動くことが前提。
「苦しいときは苦しむがよき候。悲しきときは悲しむがよき候。死ぬるときには、死ぬるがよき候。これ苦節を避ける妙法にて候」(良寛)

苦しいときは苦しみ、悲しいときは悲しみぬくこと。そして、死ぬときは、死から逃げずにその中に飛び込むこと。それが、災難を逃れる唯一の方法だ、と良寛和尚はいいました。つまり、「苦中楽あり」、「死中活あり」ということです。

人生は「七転八倒」、失敗の連続だといいます。失敗の連続が当たり前だと思えば、失敗も怖くはありません。失敗の中に飛び込むつもりでやれば、そこに活路が見えてくるからです。つまづいたり、ころんだりの、七転八倒の人生を楽しめる人でありたい、と思うのです。

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