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デジタル時代に必要な知識

今日のおすすめの一冊は、高橋洋一氏の『高橋洋一式「デジタル仕事術」』(かや書房)です。ブログも同名の「デジタル仕事術」として書きました。

本書の中に「デジタル時代に必要な知識」について書いてありました。

2021年2月に、みずほ銀行が大規模なシステムトラブルを起こしました。みずほ銀行のシステムは旧3行のシステムを統合してできています。プログラムを書いたことがない人にとっては、システム統合は簡単そうに思えるかもしれませんが、きわめて難しい作業です。 わかりやすく言えば、言語が3つあるということ。
3人、別々の言語を使う人がいたら、 コミュニケーションをとるには通訳も3人必要になります。通訳するたびに間違いが起こる可能性が出てきます。 みずほ銀行のシステムは、標準語を1つ作って統合してきたはずですが、その統合がいかに大変だったかを物語っていると思います。 問題は、幹部にプログラムのわかる人がいないのではないかと思えること。
システム担当の部下から話を聞いても、理解できないのかもしれません。 いまや銀行というのは装置産業です。「システムが命」の業界ですから、システムのことがわかる人たちが幹部にならないと、話になりません。私は、これからの銀行は、プログラ ムのわからない人は1人もいらないのではないかとすら思っています。
プログラムのわかる人がいれば、合併は対等合併ではなく、吸収合併でなければならないと気づいたはずです。対等合併の場合は、各社のシステムが併存します。吸収合併ならば、1つに統合しやすくなります。
政府のデジタル庁も、そのやり方をしなければなりません。今は、地方自治体がばらばらのシステムを使っていますが、これは一番まずいやり方。デジタル庁に多額の予算をつけて、デジタル庁のシステムをコピーして全国の自治体に配り、自治体独自のシステムはなくしてしまうくらいのことをしないと全国のシステムがうまくつながらなくなります。
私は、郵政民営化のときのプログラムにも関わっていました。 プログラム開発自体は、1つのシステム・言語を4つの会社にコピーして分けるというも のでしたので、その点では難しくありませんでした。各社の業務に必要なプログラムに違いはありましたが、もともと1つのシステムを4つにコピーしただけで、相互連関の部分は1つの言語でした。
ここが統合と分社化の違いです。システム統合は難しいが、システム分割 はそれに比べると簡単です。それでも、システムのチェックには時間をかけました。年末年始とゴールデンウィークの長い休みのときしか予行演習をする機会がありませんでしたので、そこに間に合わせるように開発しました。 休みの期間に、予行演習をしてみると、「えー、こんなことが起こるの?」ということばかり。
プログラムに関わったことのない人は、机上の理論通りに進むと思いがちですが、「絶対に大丈夫だ」と思っていても、とんでもないことが起こるのがプログラムです。そういうことも含めて、これからの時代のビジネスパーソンにはプログラムについての深い理解が不可欠です。デジタル時代には、プログラミングを学んでおくことは必ず役に立つはずです。

これからのリーダーは、デジタルの知識が必須となるのはわかりきったことです。しかし、まだそれは先のこと、と多くの中高年の人たちは思っています。しかし、小中高で、ギガスクールが始まり、その教育を受けた子どもたちが、あと2,3年もすると卒業し、社会に出てきます。そのとき、このプログラムの話と同様に、デジタルの共通言語を話すことができなかったら、銀行と同じようにシステムトラブルが起きてしまいます。つまり、意思の疎通ができないということです。

どの年齢の人にとっても、デジタル知識の習得が必要な時代となりました。まさに、生涯勉強し続ける、ということだと思います。

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