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最後のたった2秒

今日のおすすめの一冊は、竹内一郎氏の『優柔不断は“得”である』(扶桑社新書)です。その中から「土俵を割らない、人生を降りない」という題でブログを書きました。

本書の中に「最後のたった2秒」という心に響く一節がありました。

阿佐田さんは、大病で生死の境をさまよった日々を描いた短編小説『たすけておくれ』 (色川武大名義)に、こう書いています。

 「立派な一生も愚かな一生もさして変わりはない。人間は悔いを残さないように努力し、 その努力はそれなりに収穫があったようで、もちろんそれでいいのであるが、とことんの 所ではやはり変わらない」(文春文庫『怪しい来客簿』所収) 

人生に勝ち負けはありません。 長い道のりのなか、他人を過剰に意識しても、焦って一足飛びで進もうとして無理に努力しても、結果としては、とことんのところでは変わらない、と私も思っています。

先日、ラジオを聴いていたら、パーソナリティがこんなことを言っていました。 地球上の生物の歴史を、1日、24時間と見立てると、人間の歴史は、最後のたった2秒なのだ、と。

 そのたった2秒の中で、ローマ帝国やモンゴル帝国は、ほんの一瞬“世界”を牛耳り、あっという間に滅亡していきました。これはたとえ話ですが、実際にこの世は、そんな構造になっているのではないでしょうか。

誰が総理大臣で、誰が勲章をもらったかなど、300年も後の人から見れば、どうでもいいことです。社会的な栄達や大きな財産も、「勝ち」とか「負け」とかいうような基準になりません。

もちろん、目の前にある現実を無視していいと言っているのではありません。金や地位は、実際の暮らしには重要です。社会には仕組みがあるのですから、それに合わせて生き凌ぐためのマニュアルは必要ですが、それは既にたくさん書店に並んでいます。

地球の歴史は46億年です。それを24時間にたとえると、正確には、午後11時58分43秒に人類が誕生したそうです。そして、人類が農耕を開始したのが午後11時59分59秒。

最初の生物が誕生したのが午前4時。微生物が誕生したのが午前6時。魚の祖先は午後8時40分。植物が午後9時57分。爬虫類が午後10時40分だといいます。

こう考えると、人類は如何にちっぽけな存在なのか。それなのに、たった最後の何秒かで、地球を汚したり、戦争をしたりしているのです。「あいつは偉そうだ」とか、「バカにされた」とか、「人間関係で悩んでいる」とか、どうでもいいことに思えてきます。

時には人類の歴史を考えてみるのも必要だと思います。

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