2023年6月定例議会の一般質問の報告(その1)。「障がい者における65歳の壁問題」について

 名取市議会議員のさいひろみです。

 2023年6月定例議会の一般質問の報告です。
 この問題は、障がいのある知人から情報提供を受けたものです。
 関係する福祉事業所や介護事業所、地域包括支援センターなどを調査で回りましたが、それぞれでも認識していることがわかりました。

 どんな問題なのか、という詳しい解説は、こちらをご覧下さい。

◇ 質問と答弁(概要)

Q:障害福祉サービスを利用中の障がい者は、65歳になると介護保険サービスの利用が原則優先となる。本市の実態と対応は。

A(市長):新たに65歳になり、サービスを移行する方には、相談支援専門員等から利用者や家族等に説明し、サービスの切り替えを適宜行っている。

 障害者総合支援法により、障がい福祉サービスを利用していた方が65歳になった場合、同じ種類のサービスが介護保険にある場合は、介護保険サービスを優先することになっている。
 新たに65歳になる方で、介護保険サービスへ移行する方には、相談支援専門員等から利用者や家族等に説明し、サービスの切り替えを適宜行っている。
 本市で障がい福祉サービスを利用している方のうち、令和4年度中に65歳になった方は8名。8名中で引き続き、障がい福祉サービスのみを利用した方は4名、障がい福祉サービスと介護保険サービスを併用が3名、サービス利用を中止が1名である。 

市長答弁概要

Q:厚生労働省は、自治体に対して、個々の状況に応じて支給決定をするように求めている。一律に介護保険サービスに切り替えるのではなく、本人などの意向・状況を十分に勘案して対応すべき。

A(市長):介護保険サービスへの移行には、相談支援専門員等が本人の意向や状況の確認を行っている。

 65歳以上の障がい者から、障がい福祉サービス利用の支給申請があった場合は、申請のあった障害福祉サービスが介護保険サービスで賄うことができるか否かを把握したうえで、障害福祉サービスの支給決定の可否を判断することとなっている。
 介護保険サービスへの移行には、相談支援専門員等が本人の意向や状況の確認を行っている。
 介護保険サ-ビスのみでは不足する場合や、これまで受けていた障がい福祉サービスが、介護保険サービスにはない場合などは、引き続き障がい福祉サービスも利用できるよう、個別のケースに応じて適切に対応している。

市長答弁概要

Q:市長会などで国や県に対し、障がい者65歳の壁問題の解消を求めるべき。

A(市長):現行制度の拡充等は、機会を捉えて要望していきたい。

 障がい者が65歳になったとき、介護保険サービスに切り替えることで、それまで受けていたサービスが受けられなくなったり、経済的負担が増えたりすることがある、ということと捉えている。
 この問題には、厚生労働省より、平成30年度に共生型サービスの制度や新高額障害福祉サービス等給付費が創設され、障がい者が65歳以上になっても、同一事業所を継続利用できるような対策や障がい者の経済的負担軽減のための対策がなされている。
 国により一定の対策が取られているが、現行制度の拡充等は、機会を捉えて要望していきたい。

市長答弁概要

◇ まとめ

 介護保険制度は、2000年4月に施行したので23年となります。
 23年経ち、市長の答弁にあるように細かい制度の追加はあっても、大きな見直しなどはされてきていません。
 そのため、今回のような障がい者65歳の壁問題があるのでは、と感じました。
 自治体でできることにも限界があるので、国としても制度の見直しを進めてほしいと考えます。

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