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#21 人の家での泊まり方

先日、倉井夏樹くんが我が家に泊まりに来ました。夏樹くんの大阪でのライブ翌日に、コラボした曲のMVを撮ろうということになって。

彼は世界のいろんなところを旅して演奏してきただけあって、人の家での振る舞いが上手。遠慮しすぎず、礼儀正しい。僕ら日本人は失礼があるといけないと思って遠慮しすぎるところがあるけれど、遠慮されすぎるとホストもやりにくいというか、気持ち良くないのよね。すごく他人行儀な感じがしてしまうし、こっちも気を使わないといけなくなって大変になる。

こういうのって持って生まれた性格の部分もあるやろうけど、経験の部分が大きいと思う。例えば世界をバックパックで旅してたくさんの人にお世話になってきた人はやっぱり上手。それは甘え上手というのとは違う。恩は巡るものだと、どこかで知るからなんやと思う。人間はいつでも誰かに助けられて生きているということ。その恩をその人に返すことはもちろんだけれど、自分も困っている誰かを助ける順番が来るのだということ。Pay it forwardの精神やね。出会う全ての人を一つの生き物みたいに捉えられると、とっても振る舞いが上手になる。

僕の場合は十代の頃にシカゴや韓国でホームステイしたり、逆に迎えたりしたことがいい経験になったのだと思う(家に迎えたわけじゃないけど)。最近だとロンドンのクマ原田の家に二ヶ月泊まらせてもらったことは、僕にとって人生の財産になっている。あんなに家族以外の人と語り合った二ヶ月はなかったな。音楽人としてのレジェンドでもあるクマさんに向かって、「お腹すいた、なんか作って」とか、「もう眠たいから寝る」とか言えるようになったことは、僕にとっての成長だと思ってます(ちょっとは遠慮しなさい)。そういうことを我慢して言わずにいることはクマさんにとってストレスになることが分かったから。

でもね、言いたいことを言うことが正しいのではないのだと思います。言いたいことを愛を持って言うことが、きっと良い人間関係を作るキーになるんじゃないかな。自分の時間を過ごすことやね。愛を持って。そしたらメールの返信がないとか、あいつは自分勝手だ、とか怒るようなこともなくなるかもよ。僕はそんなことを思って生きています。ま、そもそも僕も色々抜けてるしね。自分を棚に上げて怒れない!(笑)

※写真は宿泊翌日に夏樹くんとモーニングした時の様子。どこに行っても楽しそうにする夏樹くんがいい。

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